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ページ番号:26219
更新日:2026年9月14日
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仏花の小菊を出す技術
お盆やお彼岸のお墓参りには、仏花として小ギクが定番です。お盆に小ギクをお供えした人は多いのではないでしょうか。実は奈良県は、小ギクの生産量全国第2位を誇る、夏秋小ギクの一大産地です。ところが、小ギクは屋外で栽培されることが多く、天候や気温などの影響を受けやすい作物です。最近の夏は特に暑いですが、花になる芽(花芽)ができた後に暑い日が続くと、開花が遅れてお盆に出荷できないことが問題になっています。お盆やお彼岸に安定して出荷できるよう、県内の夏秋小ギク生産者の皆さんは、工夫して栽培しています。
まず、たくさんの品種を取り入れて栽培されることが挙げられます。花屋やスーパーで「小ギクセット」や「仏花」といった記載で販売される「小ギク」には、実は非常に多くの品種が存在します。夏秋小ギクの県内産地では、7~9月の間だけでも100種類以上の品種を栽培しています。これらの品種は開花時期が少しずつ異なるので、お盆やお彼岸の時期にはいずれかの品種が出荷できるようになります。
次に、照明を使って花が咲く時期を調整する電照栽培です。キクは、夜の時間が一定より長くなると花芽を作り始めます。この性質を利用し、夜に人工の光を当てて「夜が短い」と感じさせることで、花芽ができるのを遅らせることができます。夜の照明を消すと花芽ができ始めるため、咲かせたい時期から逆算して消灯のタイミングを調整すれば、需要の多い時期に合わせて出荷できます。
このように、お供え物として欠かせない小ギクは、需要の多い時期に安定して届けられるように、数多くの品種や電照栽培の技術を組み合わせて育てられています。今年の「秋の彼岸」は9月20日から26日と連休に重なるので、お墓参りに出かける方も多いかと思います。小ギクをお墓にお供えするときは、ぜひ生産者の皆さんの努力に思いをはせてみてはいかがでしょうか。
【豆知識】
2027年末までに蛍光灯の製造と輸出入が禁止されることから、部屋の照明等のLED化が進んでいますが、小ギクの電照栽培でも、これまで主に使われてきた白熱電球に代わって、LEDが普及してきています。長寿命や省エネルギーであることで知られるLEDですが、電照栽培では照射する光の色にも注目されています。LEDは照明でよく使われるような白色光だけではなく、多様な色の光を発光できるという特徴があり、小ギクの電照栽培では赤色光を多く含むタイプがよく使われています。赤色光が選ばれるのは、キクの花芽の形成が赤色光に強く反応するので、より効果的に花芽の形成を抑制することができるためです。奈良県でも、8月の盆向けの小ギクで赤色光を含むLEDを利用した電照栽培が行われており、需要に合わせた安定出荷に役立っています。
(写真:LEDを用いた小ギクの電照栽培)
