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ページ番号:22247
更新日:2026年3月17日
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GABAの増やし方
最近では、お米やお茶、チョコレートなどにGABAを多く含むことを謳った食品をよく見かけるようになりました。GABAは、Gamma‑Amino‑Butyric Acid(ガンマ‑アミノ酪酸)と呼ばれるアミノ酸の一種です。血圧降下作用が認められていることから、消費者庁により特定保健用食品として表示することが許可されています。また、ストレスの緩和や睡眠の質の向上といった効果についても検討が進められており、機能性表示食品として販売されている食品もあります。
実は、GABAは動植物体中に広く存在しており、漬物やナス、トマトなどの生鮮野菜にも含まれていることから、私たちは日常の食事からある程度摂取しています。これまでに、私たちの健康にとって有効であることが見いだされると、GABAの含有量を増やす方法について研究が行われるようになりました。お米では玄米が発芽する際に、グルタミン酸がGABAに代謝されることに着目し、発芽玄米として商品化されています。また、お茶の葉を無酸素条件下に一定時間置くことでGABA含有量が増加することが確認され、販売に至っています。
一方で、GABAを増やして抽出する方法も研究されています。例えば、サトウキビ由来の糖類を発酵させて得られたグルタミン酸を、乳酸菌を用いてGABAに変換・精製する方法や、焼酎蒸留粕と麹菌を用いてGABAを得る方法などが開発され、GABAを添加したお菓子などの商品が販売されるようになりました。
さまざまな技術革新により、私たちは身近な食品から効率的に多くのGABAを摂取することができるようになっています。これらの食品を上手に活用し、日々の食生活に取り入れることで、健康維持や心身のバランス向上に役立てていきたいものです。
【豆知識】
GABAは、細胞内でエネルギーを作り出すためのTCAサイクルと呼ばれる代謝経路において、重要な役割を果たしていることが分かっています。植物は高温、乾燥や塩分の多い土壌など、さまざまなストレスを受けて生育が衰えることがあることから、GABAを作物に与えた時のストレス耐性についても検討が進められています。
メロンでは土壌に塩分を加えると、それがストレスとなり茎の重量と葉の面積が減少しましたが、同時にGABA溶液を施すことで、茎の重量と葉の面積が改善したという報告があります。また、土壌中にGABAを施用することで、植物保護細菌と呼ばれる非病原性細菌の根への定着が促進されたという効果も報告されています。
近年、人も植物もさまざまなストレスにさらされているといわれていますが、今後もこのような製品のさらなる研究と開発が望まれます。
(図:GABAの化学構造式)
