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ページ番号:25592
更新日:2026年8月10日
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白いふわふわの害虫
最近、庭木や果樹の枝先で白くふわふわした虫を見かけたことはありませんか。小さな綿のかたまりのように見えるそれは、中国原産の外来生物「チュウゴクアミガサハゴロモ」の幼虫かもしれません。
チュウゴクアミガサハゴロモは、セミに近いハゴロモ科の昆虫です。幼虫は白い糸状のろう物質を背負うように付け、枝や葉の上でふわふわした姿をしています。成虫は体長一・五センチほどで、茶褐色から黒っぽい翅を持ち、止まっていると黒い蛾のようにも見えます。翅の白い三角形の紋が特徴です。
本種による被害は主に吸汁と産卵です。成虫や幼虫が枝から樹液を吸い、多発すると排せつ物により黒いすす状のかびが生じ、果実や葉の外観を損ねることがあります。また、雌成虫は細い枝などに傷をつけて卵を産み、白いろう物質で覆います。産卵された枝は傷つき、先端が枯れたり、折れやすくなったりすることがあります。
本種が寄生する植物は非常に多く、カキ、ナシ、ウメ、モモ、カンキツ、ブルーベリー、チャ、キウイフルーツなどの農作物に加え、ツバキ、サザンカ、ゲッケイジュ、クスノキ、サルスベリ、マサキなどの庭木や街路樹でも見つかります。ほ場の外にある身近な植物が、発生源になることもあります。
本種は国内では平成二十九年に大阪府で初めて確認され、その後、本州、四国、九州へ分布が広がりました。奈良県でも令和七年、南部のカキ園で発生が確認されたため、病害虫発生予察特殊報を発表しました。病害虫発生予察特殊報とは、新たな病害虫や注意を要する病害虫が確認されたときに、農作物生産者や関係者へ注意を促す情報です。
外来生物への対策は「増やさない」ことです。白い幼虫や、枝の白い綿状の産卵痕を見かけたら注意してください。見つけた虫の捕殺や産卵された枝の除去が対策になります。庭の一枝に目を向けることが、地域の果樹や緑を守る第一歩です。
【豆知識】
チュウゴクアミガサハゴロモの幼虫は、白い毛束を体にまとい、それが放射状、またはクジャクの尾羽状に広がっています。そのため枝先では、白い妖精のように見えることがあります。じっとしていると綿毛のかたまりのようですが、近づいたり危険を感じたりすると、ぴょんと跳ねて逃げることがあります。白い幼虫だけを見るとか弱そうに見えますが、放置すると、どんどん増えていきます。見つけた場合は、可能であれば取り除きましょう。
また、秋に産み付けられた卵は枝で冬を越します。特に冬から春先は、葉が少なく枝が見やすい時期です。庭木や果樹などの枝に白い綿毛状の筋やかたまりが残っていれば、産卵痕の可能性があります。白い部分の下に枝の傷や亀裂が見えることもあります。見つけた枝は、卵がふ化する前に枝ごと切り取り、土中に埋めるなどして処分してください。
(写真:チュウウゴクアミガサハゴロモの幼虫(上)と成虫(下))
