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ページ番号:25109

更新日:2026年7月13日

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未来作るジーンバンク

 「ジーンバンク」という言葉をご存じでしょうか。直訳すると「遺伝子銀行」になりますが、動物や植物の遺伝資源を集め、保存する施設やシステムのことをいいます。実は農作物の種子が保存されている「ジーンバンク」が奈良県にも存在しています。大和高原農業研究所では、2016年からジーンバンクを設置し、奈良に歴史的ゆかりのある遺伝資源の収集・保存を行っています。これまでに農業者44人、種苗会社12社、2村役場、農業法人1社、個人の種子収集家1人に遺伝資源の収集に協力いただきました。スイカ、メロン、ダイズ、トウモロコシ、ナタネ、ダイコンなど、1000点を超える遺伝資源が5℃に保たれた貯蔵庫の中に種子の状態で長期保存されています。
 低温で保存していますが、種子にも寿命があります。発芽できる能力を失ってしまうものもあるので、保存している遺伝資源を定期的に栽培して新鮮な種子を採り直しています。またその特徴を記録して、有効活用できる特性がないか調査をしています。
 十分な種の数が確保できたものについては、配布可能な遺伝資源として県のホームページ上で公表しています。一般の方にはご利用いただけませんが、研究機関や産地振興を行っている生産者団体に配布を行っています。これまで大学4件、生産者団体4件、種苗会社1件に遺伝資源を活用いただいています。大学や種苗会社では主に病害抵抗性の研究を目的に、生産者団体では産地の振興を目的に利用されています。
 遺伝資源の保存は新しい品種を作り上げることや伝統野菜を用いた地域の振興に繋がります。今後も収集・保存、発芽率の調査、種子の採り直し、特性調査を続け、遺伝資源の利用・活用ができる体制を整えていきます。

【豆知識】

 現在、大和高原農業研究所のジーンバンクには多くのスイカの種子が保存されています。これは大正後期から昭和初期にかけて奈良県でスイカ栽培が盛んであったことに由来します。大正12年からスイカの品種改良に取り組むとともに技術指導を通じて産地を積極的に支援しました。その結果、県内のスイカ栽培面積は大きく広がりました。しかし、スイカの産地衰退とともに、昭和40年には奈良県農業試験場(現:奈良県農業総合研究センター)でのスイカの採種も終了し、全ての種子を缶詰にして種子貯蔵庫に低温で貯蔵しました。2016年のジーンバンクの設置とともに、その種子はジーンバンクに引き継がれました。写真のスイカは新大和1号といい、昭和初期に育成された品種です。他にも当時の貴重な品種が保存されており、毎年数品種の採種を実施しています。(写真:上:大和高原農業研究所内のジーンバンク・下:保管されているスイカ品種「新大和1号」)

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