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更新日:2026年2月27日

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特集

県民だより奈良

2023年2月号

特集 ますます進化する「奈良の医療」

奈良の医療

県では、住み慣れた地域でいつまでも安心して暮らし続けることができるように、医療提供体制の充実に取り組んできました。
これまでに、新しい奈良県総合医療センターの整備、南奈良総合医療センターの開設、奈良県立医科大学附属病院の新病棟竣工などにより、県立系の病院が充実してきました。
その結果、新型コロナウイルス流行下においても、これらの県立系の病院が、いち早く診療・検査・入院の体制を整え、奈良県の新型コロナ医療の中核を担うことで、医療提供体制を維持してきました。
県では、これからも県民の皆さんが安心できる医療提供体制の充実を図っていきます。
今回の特集では、奈良県のがん医療、周産期医療、救急医療のいまを、奈良の医療の進化を支える医療者の声とともに紹介します。

がんの75歳未満年齢調整死亡率の推移

がんの75歳未満年齢調整死亡率のグラフ

「年齢調整死亡率」とは、年齢構成の異なる地域間で死亡状況の比較ができるように年齢構成を調整した死亡率のこと。

日本人の2人に1人が罹患(りかん)するという「がん」。奈良県のがん死亡率は、目に見えて改善してきました。

奈良県のがん医療

がんになっても安心して治療ができる

県では、がん診療の拠点となる病院(県全体と地域の拠点として、国および県が指する計9カ所)を整備することにより、がん患者が県内どこに住んでいても「質の高い」がん医療を受けられる体制を構築しています。
がん診療の拠点となる病院では、地域の医療機関などと連携しながら、専門的で高度ながん治療を行っており、県のがん死亡率の低下に大きく寄与しています。

県内のがん診療の拠点

県内のがん診療の拠点画像

これからのがん治療〜がんゲノム医療〜

がん治療は、手術、放射線治療、薬物療法を組み合わせた標準治療を行うことが一般的ですが、標準治療がない種類のがんに罹患された方や、標準治療が終了したがん患者の方々にとって、がんゲノム医療により最適な治療薬が早く見つかる可能性が高くなると言われています。
がんゲノム医療とは、主にがんの組織を用いて、多数の遺伝子を同時に調べ(がん遺伝子パネル検査※1)、遺伝子の変異を明らかにすることにより、一人一人の体質や病状に合わせて治療などを行う医療のことです。
県内のがんゲノム医療連携病院は、奈良県立医科大学附属病院、奈良県総合医療センター、天理よろづ相談所病院、近畿大学奈良病院、市立奈良病院です。
令和2年10月には、奈良県立医科大学にがんゲノム医療を担う、がん薬物療法専門医などの育成および研究の場として、がんゲノム・腫瘍内科学講座が設置されました。がん薬物療法専門医は令和2年6月時点の8人から、令和4年5月時点では12人に増えてきています。

※1がん遺伝子パネル検査
次世代シークエンサーという装置を使い「がん関連遺伝子」を一度に解析します。
日本では令和元年6月より、がん遺伝子パネル検査が健康保険の適用対象となりました。

奈良県立医科大学附属病院

武田真幸教授

がんゲノム・腫瘍内科学講座
武田 真幸 教授

これまでのがん治療は、「殺細胞性抗がん剤※2」といったがん細胞だけでなく正常な細胞にも作用する薬が主たるものでしたが、がん細胞の増殖に関わる特定の遺伝子異常に作用する「分子標的治療薬※3」が多く認可されるようになってきました。がん(肺がん、大腸がんなど)には複数の遺伝子異常が関わることが分かっており、それを少ない腫瘍組織から一つ一つ調べていくには時間がかかります。そこで、一度に多数のがんに関わる遺伝子の変異を調べることができる「がん遺伝子パネル検査」が開発されました。当院では、奈良県のがん患者のがん遺伝子解析を実施することにより最新医療を提供できるように取り組んでいます。

※2殺細胞性抗がん剤
化学物質を用いてがん細胞を死滅または抑制させる薬
※3分子標的治療薬
がん細胞の持つ特異的な性質を分子レベルでとらえ、それを標的として、がん細胞の異常な分裂や増殖を抑えることを目的とした薬

P13奈良養生訓も併せてお読みください。

  • 県疾病対策課
  • 電話 0742-27-8928
  • FAX 0742-27-8262

奈良県の周産期医療

赤ちゃんとお母さんの健康を守る

県では、地域の医療機関が連携し、リスクに応じた役割分担を進めることで、県内で安心して出産ができる体制を構築しています。今後もこのような体制を維持できるよう取り組んでいきます。

母体搬送件数および県内受入率

母体搬送件数および県内受入率のグラフ

フローチャート

休日・夜間の救急時に受診できる産婦人科の医療機関を当番制で確保しています。

  • NICU(新生児集中治療管理室)
    新生児のための集中治療室です。
  • MFICU(母体胎児集中治療室)
    ハイリスクの妊婦と胎児のための集中治療室です。

早産児や低体重児など集中治療室での管理が必要な赤ちゃんを医師同乗のもと、搬送する新生児専用救急車。奈良県総合医療センターが運行しています。


新生児ドクターカー

奈良県総合医療センター

喜多恒和

喜多 恒和
周産期母子医療センター長

周産期母子医療センターとは

産科部門とNICU部門が連携して、母体と新生児の一貫した治療を行っています。
24時間体制でハイリスク妊産婦の緊急搬送を受け入れ、妊娠管理を行います。分娩には産科医とNICU医師が立ち会い、新生児は出生直後から切れ目なく治療を受けることができます。

緊急搬送されるハイリスク妊産婦とは

母体の合併症悪化や胎児・新生児に何らかの健康上の問題が予想される場合などです。命の危険を伴う場合もあります。

新型コロナウイルスに感染した妊婦の出産は

センターで体制を整えており、入院または自宅待機の後、適切な分娩方法により対応しています。

これからの課題は

医師の働き方改革を推進し、充分なスタッフを継続して確保していくことや、最新の医療機器の導入、妊婦健診における正確な診断、きめ細かい指導を心懸けていきます。

奈良県の救急医療

救急患者を迅速に受け入れる

県では、救急患者の症状や緊急性に応じて適確な医療を受けられるよう、1次、2次、3次救急と役割を決めて対応しています。また、救急患者を断らない医療体制の構築により、救急搬送はよりスムーズになってきています。

救急隊の病院照会回数4回以上の推移(重症以上の傷病者)

救急隊の病院照会回数4回以上の推移のグラフ

医療機関ピラミッド

南奈良総合医療センター

石田泰史

石田 泰史
副院長兼救急センター長

当センターは南和地域の急性期医療を一手に担っています。年間の救急車とドクターヘリの出動回数の合計は4千件を超え、当院開設前の公立3病院(五條病院・大淀病院・吉野病院)時の約2倍です。

チーム医療がつなぐ命

救急医療は「病院前」「病院内」「病院後」のシームレスな体制が必須です。「病院前」の充実のため、毎年救急救命士の研修を行っています。「病院内」ではタブレットで情報共有を行い、時間外でも当直医と専門診療科の医師が意見交換でき速やかな診断、治療方針の決定が行える体制を整えています。「病院後」においては、急性期治療終了後の患者が近隣の医療機関と連携し治療を受けられる体制を整え、次の患者を受け入れられるよう空床の確保に努めています。

ドクターヘリ基幹連携病院

ドクターヘリは県内すべての場所に15分以内で医師と看護師を派遣でき、救命率を向上させることができる重要なツールです。近隣の三重県・和歌山県と互いに補完できるようルール作りを行い、効率的に運用しています。また人材育成を重視し、フライトナースの育成プログラムにも取り組んでいます。

  • 県地域医療連携課
  • 電話 0742-27-8935
  • FAX 0742-22-2725

西和医療センターの移転・再整備に向けて

西和医療センターの移転・再整備に向けた検討を進めています。
奈良県では今年度、「新西和医療センター整備基本構想」を策定し、新しいセンターは交通アクセスに優れる「JR王寺駅南側」への移転建替を基本とする方針を定めました。
また、県・県立病院機構・王寺町・JR西日本の4者が「王寺駅周辺地区のまちづくりに関する連携協定」を締結し、西和医療センターの移転整備のための調査を進めています。
新しい西和医療センターは、「西和地域における重症急性期を担う基幹病院」を基本コンセプトに、救急医療(二次救急、小児救急)・災害医療の充実、脳卒中・循環器病、がん、筋骨格・外傷などの重症急性期医療の提供、地域の医療機関などとの連携の推進などを目指しています。

西和医療センター屋上

西和医療センター屋上から大和川を挟んで王寺駅周辺を望む

  • 県病院マネジメント課
  • 電話 0742-27-8647
  • FAX 0742-22-7471

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