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ページ番号:23439

更新日:2026年5月1日

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企業・起業

2026年5月号

持続可能な地域農業と花木の世界進出に貢献

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堀園芸株式会社
代表取締役 堀 宏弐(ほりこうじ)さん

家業という財産を守るために

 当社は、約60年前に私の父によって創業されました。古くから薬草栽培や花の名所として知られる西吉野町には、多様な草木が息づいていました。やがて花木づくりが盛んになり、サクラやハナモモ、高野槙(こうやまき)など多種多様な品種を生産する「花木の百貨店」として、関西を代表する産地となりました。私が2000年にUターンで就農する前は、電子材料を扱う一般企業に勤めていました。転機となったのは、祖父が亡くなった折の葬儀の際、父がお世話になっていた取引先の社長さんにかけられた「家業は財産だぞ」という一言。その言葉が胸に響き、故郷の豊かな資源と伝統を受け継ぐ決意を固めました。

世界に里山の高品質な花木を

 事業の柱として、花木や切り枝の生産・販売を行っています。最も取り扱いが多いのは仏花として親しまれる高野槙ですが、サクラやアセビ、ハナモモなども扱っており、年間約20種の花木を出荷しています。これらは主に生け花の材料として需要があるため、一般には出回らない時期でも高い品質が求められます。その期待に応えるべく、冷蔵庫や温室による徹底した温度管理、最適な収穫タイミングの見極め、日持ちを左右する水揚げ技術、さらには扱いやすい枝ぶりやボリュームの調整など、独自の工夫を重ねてきました。現在では国内市場やオンラインショップのみならず、会社員時代のご縁もあってアジア、中東、ヨーロッパなど世界13カ国へ流通が広がっています。日本の伝統的な花木文化を、グローバルな価値として発信し続けています。2
 また、新たな挑戦として、高野槙のアロマオイルや石鹸などの加工製品の開発にも取り組んでいます。これまで廃棄されていた枝葉を有効活用する発想は、社員の提案から生まれました。資源を無駄にせず、環境に配慮したものづくりを、今後も広げていきたいです。

 

”花木の百貨店”を次世代へ

花木業界でも生産者の減少が課題ですが、海外市場の拡大を見れば、「成長産業」であると確信しています。当社の理念は「花と木を通じて里山とヒトをつなぐ存在であり続ける」こと。この想いに賛同してくれる人なら、未経験者も積極的に迎え入れ、将来の独立も応援します。5日間で生産から事務管理までを体験できる農業インターンシップや、地元の西吉野農業高校の就労体験など、若い世代が農業の魅力に触れる機会を大切にしています。また、Wi-Fiの導入やトイレの改修など、気持ちよく働ける環境づくりにも力を入れています。3
 花木の世界は敷居が高いと感じられがちですが、もっと気軽に多くの人に関わってほしいと思っています。近隣の生産者の方々と手を取り合い、産地全体の発展を通じて地域活性化に貢献したい。それが私たちの願いです。
 

4堀園芸株式会社
住所: 五條市西吉野町桧川迫26
☎︎0747-33-0401
ホームページ 

五條市に拠点を置き観賞用の花木や枝物を栽培し、国内外へ出荷する園芸事業を行っています。