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ページ番号:24549

更新日:2026年7月1日

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万葉集

2026年7月号

はじめての万葉集 vol.146

南淵(みなぶち)の 細川山(ほそかはやま)
立つ檀(まゆみ)
弓束(ゆづか)(ま)くまで
人に知らえじ

作者未詳 巻七(一三三〇番歌)

南淵の細川山にはえる檀を弓にして、束をまくまで人に知られるな。manyo01 2607

 

飛鳥川の上流

 南淵は飛鳥川の上流で、現在の明日香村稲淵一帯を指します。細川山(ほそかわやま)は、明日香村細川の北方に位置する標高五二三mの山です。飛鳥川上流地域は、飛鳥から吉野宮への重要な交通路でした。
 『日本書紀』天武五(六七六)年五月是月条に「南淵山・細川山を禁じて、並びに芻薪(くさかりたきぎこ)ることなかれ」との勅が出され、草木の伐採を禁じます。周辺を清寧に保つためですが、弓の材料に適した檀が多く茂っていたことを連想させます。
 南淵には、南淵請安(みなぶちのしょうあん)の邸があり、この地の出生と推定されます。推古十六(六〇八)年、請安は小野妹子を大使とする遣隋使に、留学僧として随行しました。この時の使節団には、高向玄理(たかむこのくろまろ)や僧旻(そうみん)らがいます。この後、請安は隋、隋が滅んだ後は唐で学びました。舒明十二(六四〇)年、請安は玄理とともに帰国しました。隋に渡ってから、実に三十年以上の年月が過ぎていました。
 帰国した請安は、隋・唐で学んだ知識を伝えるため、南淵の地に塾を開きました。その教えを受けた者の中に、中大兄皇子と中臣鎌足がいました。二人は皇極三(六四四)年正月以前から請安の塾に通っており、その途上で大化改新(乙巳(いっし)の変)の計画を練ったと伝わります。
 請安が伝えた知識は、大化改新に大きな影響を与えたと考えられています。しかし、乙巳の変後に請安の名前は見えず、それ以前に死去したのではないかと推測されます。
 なお、鎌足は蘇我入鹿暗殺の際に、弓を持って潜んだとされています。この時の弓の素材は請安の塾の近くで採れたものかもしれません。
(本文 万葉文化館 中本 和)

 

万葉文化館イベント情報

奈良県立万葉文化館・奈良県立美術館 連携企画展

「たびにしあれば 奈良県立万葉文化館・ 奈良県立美術館コレクションから」

開催中~7月12日(日曜日)

自らの住まう土地を離れて異郷へと向かう「旅」をテーマに、『万葉集』から現代の作品まで、時代の変遷する旅のあり方を奈良県のコレクションを通して展観します。

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葛飾北斎「冨嶽三十六景 相州七里濱」 奈良県立美術館蔵 

国内の小・中学生、高校生・18歳未満の人は無料。
※国内の65歳以上の人は平日無料、土曜・日曜は一般料金になります。その他割引など、詳しくは当館HPをご覧ください。

出張講座 万葉古代学講座 in 奈良

  「古代日本の都」

 7月11日(土曜日)13時15分~16時30分(12時45分開場)無料・申込不要

[会場]奈良公園バスターミナル・レクチャーホール

[講師]井上 さやか(当館企画・研究係長)

  中本 和(当館主任研究員)

  榎戸 渉吾(当館研究員)

詳しくは奈良県立美術館HPをご覧ください。

万葉集をよむ 無料・申込不要

7月15日(水曜日)14時~15時30分

「雑歌(ぞうか)(4)」(巻9・1710〜1725番歌)

[講師] 井上 さやか(当館企画・研究係長)

[定員]150人(先着)

 ※アーカイブ配信(翌日から1週間視聴可)

にぎわいフェスタ万葉 夏 

7月18日(土曜日)~8月29日(土曜日)

詳しくは当館HPをご覧ください。

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電話:0744-54-1850

HP:www.pref.nara.lg.jp/manyo

 

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地域創造部万葉文化館