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更新日:2026年2月27日
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奈良祭時記
県民だより奈良
2020年1月号

惣谷(そうたに)狂言
五條市 天(てん)神社
五條市大塔町惣谷に伝わる伝統行事。
惣谷狂言保存会 会長 青山順子さん、会員 福本政洋さんにお話を伺いました。

壺負(つぼおい)狂言
一度途絶えた芸能
天神社の「神事初め」として1月25日に行われる狂言です。明治40年頃から行われなくなり、休止の期間が長く続きました。昭和31年に大塔村史の作成をきっかけとして、約半世紀前の記憶を頼りに10数演目のうち8演目を復活させ、保存会が結成されました。かつては踊りと交互に演じられていましたが、今は狂言のみが伝わっています。
山あいの神社で披露
毎年10月に演目や配役を決め、練習が始まります。集会所で行われる練習では、セリフや動作を確認しつつ、頭と身体で覚えます。同じ演目が2年連続で続かないようにし、振り付けにアレンジを加えるなど、観客を楽しませる工夫も行っています。
7回程度の練習を経て本番を迎えます。山あいの惣谷には雪が降ることも多く、天神社は白銀の厳かな雰囲気に包まれます。13時頃から神事が行われ、14時頃から狂言が始まります。演目によっては太鼓、三味線、笛などの楽器も加わり、にぎやかに演じます。
言葉を勘違いし続ける2人が最後には納得して舞う「萬才(まんざい)」という演目もあり、古くから伝わるお話ですが、セリフが聞き取りやすく、内容も理解しやすいです。

萬才
継承の苦労と難しさ
現在、保存会は7人で構成されていて、60歳以上が中心です。昭和の頃と比較すると約半数になりました。「先輩が復活させた行事を再び休止させたくない」との思いで頑張っていますが、このメンバーでいつまでも続けることは難しく、苦労しているのが現状です。過疎により、集落には13軒の家庭に約20人しかおらず、遠方へも赴いて、色々な方法で後継者を増やそうとしています。セリフや所作などを練習する必要はありますが、この地区に縁がなくとも伝統を繋いでくれる人を広く募集しています。
踊りと共に行われた狂言が今も残っていることは珍しく、テレビ局やイベントに呼ばれることもあります。全国各地での公演や観客の反響を通して、この伝統の貴重さに改めて気付かされることもあり、それが活動の励みになっています。

保存会の青山さん、福本さん
行ってみよう!
天神社 毎年1月25日
- 所 五條市大塔町惣谷

- 問 無形民俗文化財については、県文化財保存課
電話 0742-27-8124
FAX 0742-27-5386