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ページ番号:25676

更新日:2026年9月1日

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manyou 2609

万葉集

2026年9月号

vol.148 うち渡す竹田の原に鳴く鶴の間無く時無しわが恋ふらくは

(うちわたす たけだのはらに なくたづの まなくときなし わがこふらくは)
大伴坂上郎女(さかのうえのいらつめ) (巻四・七六〇番歌)


広々とつづく竹田の原に鳴く鶴のように、絶え間もないことよ。私の恋しく思うことは。


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竹田の庄(たどころ)

 この歌は「大伴坂上郎女の竹田庄より女子(むすめ)の大嬢(おほをとめ)に贈れる歌二首」と題された中の一首です。
 作者である大伴坂上郎女は、元号「令和」の元となった梅花の宴の主催者・大伴旅人の妹で、『万葉集』の編纂(へんさん)者のひとりと目される大伴家持(やかもち)の叔母にあたる人物です。歌を贈られた「大嬢」とは、坂上郎女の実の娘であり、のちに家持の妻となった女性でした。
 母から娘へ贈られた歌なのですが、会えない時間を嘆き「間無く時無しわが恋ふらくは」と、まるで恋人に宛てたような表現を用いています。そのためか、この歌は恋の歌だけを集めた『万葉集』巻四に収められています。
 『万葉集』巻四は、「相聞(そうもん)」だけで構成された特徴的な巻です。「相聞」とは互いの消息をたずね合う意味を持つことばで、相聞歌といえば恋の歌と言って過言ではありません。二首目の七六一番歌も同様に、恋の歌のような表現がみられます。坂上郎女は、甥の家持とも恋人同士のような歌を交わしており、歌作りの基本作法として恋の歌の表現を用いていた可能性が指摘されています。
 この歌の舞台となった竹田庄とは、現在の奈良県橿原市東竹田町の地にあった大伴氏が所有する田地と考えられています。坂上郎女はたびたびここを訪れていたとみられ、ほかにも竹田庄で詠んだ歌(巻八・一五九二、一五九三)が残っています。家持も同地を訪れ、坂上郎女へ「玉桙(たまほこ)の道は遠けどはしきやし妹(いも)を相(あひ)見に出でてそ我(あ)が来(こ)し(玉桙の道は遠いのだが、なつかしいあなたに逢いに、私は出かけて来ました)」(巻八・一六一九)という歌を贈りました。遠いところを会いに来たというのも恋の常套(じょうとう)表現でした。
(本文 万葉文化館 井上 さやか)

万葉文化館イベント情報

開館25周年記念
万葉古代学リレー講座   無料・申込不要

● 「『隋書(ずいしょ)』にみる推古朝」

 9月5日(土曜日)

[講師] 松尾 光 さん(奈良県立万葉文化館名誉研究員・元万葉古代学研究所副所長)

● 「讃(さん)アスカ」

 9月20日(日曜日)

 ※「万葉の日」記念/「昭和100年」記念

[講師] 中西 進 さん(奈良県立万葉文化館初代館長)
[時間] 各回14時~15時30分(13時30分開場)
[定員] 各回300人(当日先着)
[会場] 各回日本画展示室

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万葉集をよむ 無料・申込不要

9月16日(水曜日)14時~15時30分

「雑歌(ぞうか)(6)」(巻9・1738〜1743番歌)
[講師] 榎戸 渉吾(当館研究員)
[定員]150人(先着)

 ※アーカイブ配信(翌日から1週間視聴可)

にぎわいフェスタ万葉 秋

9月15日(火曜日)~11月29日(日曜日)

※8月1日より、当館駐車場は有料になりました。
 普通車1日1回につき500円

※詳しくは当館HPをご覧ください。
 

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電話:0744-54-1850
HP:www.pref.nara.lg.jp/manyo

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地域創造部万葉文化館