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ページ番号:9886
更新日:2026年2月27日
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知事コラム
県民だより奈良
2025年6月号
知事コラム vol. 22
一念通天
「一念通天(いちねんつうてん)」とは、強い信念を持って努力をすれば、どんなことでも成し遂げられるという意味です。

人と動物の程よい距離とは
奈良公園のシカは天然記念物として保護の対象となっています。一方、奈良公園の周縁部には畑が広がっており、その畑の農作物をシカが荒らす「鹿害」をどう防ぐかが昭和50年代から問題となっていました。農家が春日大社などを相手に起こした裁判の和解の結果、奈良公園の周縁部で農作物を荒らしたシカはこれまで、生け捕りにされ奈良公園内にある「鹿苑」に終生収容されてきました。しかし、そうしたシカの個体数が増えすぎ、収容環境が過密になっていたことなどから、今後は原則一時収容にすることが今年3月、有識者らの委員会で決定されました。農作物に対する被害防止は柵の設置を徹底することなどにより強化します。
一方、近年、奈良県南部の山間部ではツキノワグマが頻繁に人家近くに出没するようになりました。しかし、本県のツキノワグマは絶滅が危惧される個体群とされ、法律により狩猟が禁止されています。このため、捕獲されたツキノワグマはこれまで、人間に対する恐怖心を植え付けた上で再び放していました。しかし、それだけでは不安を感じる住民もおられるため、放す際にGPS機能の付いた首輪をはめ、再度人里に近づいた際にはアラームが鳴るシステムを今年度から採用することになりました。
人の身体や財産の保全と動物の保護をどう両立させ、意見の異なる人々の理解を得ていくのか、私たち行政機関の知恵と調整力が試されています。
奈良県知事
