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更新日:2026年2月27日

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特集1

県民だより奈良

2025年6月号

特集1
農業のイメージ風景

奈良の農業を未来につなぐ!

農業の担い手不足の解消に向けて

県では、高い生産能力を活かして古くから農業が発展してきました。現在でも、京阪神の都市部に近い立地条件を活かして、米を中心に柿やイチゴなど、高度な栽培技術を駆使した生産性の高い多彩な農業を展開しています。しかし近年では、他府県と同様に農業の担い手不足が問題となっているため、県ではさまざまな対策を行っています。
今回は、県の農業の担い手確保に関する取り組みとして、「サステナブルな奈良の水田営農の推進」と「企業の農業参入支援」について紹介します。

農産物のイメージ風景

奈良の農業の今を知る

県では、大和平野を中心に生産される米をはじめ、全国有数の産地として人気を誇る柿や、「古都華」など独自ブランドが魅力のイチゴといった、品質の高い野菜や果樹を栽培しています。

しかし、2010年から2020年までのデータでは、県の耕地面積、農家戸数はともに減少し、今後も右肩下がりが続くと予想されています。さらに、水稲を作付する小規模農家の高齢化による耕作放棄の増加なども懸念されています。そこで県では、魅力ある奈良の農業の衰退を防ぎ、農地を未来へとつなぐための取り組みを進めています。

令和5年奈良県農業産出額

課題1 耕地面積、農家戸数ともにさらなる減少が続く見込み

耕地面積の推移/農家戸数の推移

課題2 水稲を作付している多くの小規模農家が、高齢化などにより耕作放棄する恐れ

将来に向けたイメージ

未来の農業の担い手を育成

なら食と農の魅力創造国際大学校(NAFIC)アグリマネジメント学科

NAFICは、奈良の食と農を担うリーダーを育成する2年制の専修学校です。農業経営のプロを育てるアグリマネジメント学科では、幅広い品目に対応した実践的な講義や実習を通じて、高度な知識と技術が身につきます。また、流通や販売、経営スキルなども学べ、自立・親元就農や、農業法人・農業関連企業への就職をバックアップします。

代々継承する農地で再び農業を!
現在、農家現地実習で奮闘中
卒業後の目標はイチゴの栽培

実家は所有する農地で代々農業を営んでいましたが、次第に農業から離れ、現在は他の農家に耕作してもらっています。私自身もこれまで就農せず一般企業で働いていました。しかし、今後もし借り手が耕作できなくなっても農地を維持したいと考え、退職して農業を体系的に学ぶことを決意。NAFICは少人数制で先生方のフォロー体制が素晴らしく、個人の目標や意向に沿った農家での研修制度などで実践的に学んでいます。学校では、自分よりかなり年下の同級生の農業への情熱に刺激を受ける日々です。卒業後は実家の農地を活用し、かつて祖母が育てていたおいしいイチゴの栽培に挑戦したいです。

アグリマネジメント学科
2年生 大前 美佳さん

NAFICオープンキャンパス開催

フードクリエイティブ学科
  • (1)6月29日(日曜日) (2)7月26日(土曜日)
    いずれも10時30分~14時20分
  • NAFIC安倍校舎(桜井市)
  • 下記URLから(申込締切:(1)6月24日 (2)7月21日)
    AO入試2.期エントリー:7月4日(金曜日)~17日(木曜日)
アグリマネジメント学科
  • (1)6月14日(土曜日) (2)8月9日(土曜日)
    いずれも9時30分~、13時30分~の2回開催
  • NAFIC池之内校舎(桜井市)
  • 下記URLから(申込締切:(1)6月10日 (2)8月5日)

詳しくはこちら
NAFIC なら食と農の魅力創造国際大学校

未来につなぐ取り組み1

サステナブルな奈良の水田営農の推進

県では、ホップ、ステップ、ジャンプの3段階の計画で「サステナブル(持続可能)な水田営農」に向けたサポートを展開します。まずは小規模農家グループによる共同育苗を支援し、次に経営改善計画の具現化による生産効率・販売額の向上を推進。そして、長期目標として掲げる大規模稲作生産組織の設立を目指すことで、奈良の水田営農を推進します。

サステナブルな水田営農の推進

赤字経営や耕作放棄などの問題を抱える小規模農家に対して、県はこれまでも農林(業)振興事務所などによる伴走支援を行ってきました。今年度からさらなる支援の充実を図ります。
支援対象は、今年7月以降に公募で選定する、水稲を作付する農業者グループです。令和8年の作付に向けて、共同育苗のための土や肥料など資材の導入に係る補助を行うとともに、(仮)経営改善計画の作成推進、赤字経営解消の具現化まで、普及指導員がサポートします。農地の荒廃と農業の衰退を防ぎ、奈良の自然や景観、防災機能も保持する水田を維持するために取り組みます。


県農業水産振興課 参事
奥谷 晃弘さん

未来につなぐ取り組み2

企業の農業参入支援

営農を未来へ継承するためには、地域全体で新たな担い手の参入を促進することが必要です。地域では若者などの担い手確保に苦慮する一方、企業においては経営多角化やCSR(企業の社会的責任)を目的に農業参入を図る事例が増えています。こういった背景をふまえ、県では企業の農業参入を推進し、(公財)なら担い手・農地サポートセンター(サポセン)や土地改良区、市町村、農業委員会などの関係機関と連携して支援します。

企業参入支援チーム(県・サポセン)

企業のスムーズな農業参入を一体的にサポートします

令和7年度の取り組み

企業向け農地調査
  • 土地改良区による農地調査
    将来の営農に関する組合員アンケート・現地調査などにより農地情報を把握
  • サポセンによる農地調査
    サポセンが管理している農地や、将来の担い手が不在と見込まれる農地などの情報をとりまとめ

企業の参入候補地となる農地情報を集約「農地情報シート」作成

企業の農業参入意向調査

農業参入企業の情報収集

  • 県内企業への意向調査、県内外参入済企業への訪問により農業参入の関心度、課題などを調査
  • 農業参入フェアへの出展により企業の情報収集
  • 「参入意向企業リスト」作成


農業参入フェア


県内企業農業参入事例

令和8年度~

「企業」と「農地」のスピーディーなマッチングへ!

企業向け農業参入ガイドブックを作成するとともに、参入意向企業の要望に沿った候補農地の紹介やサポートを行うことにより、スムーズな農業参入を促進します。

農業参入された企業より

新規参入のトマト栽培で社内に新風
県の支援を活用し事業拡大も検討中

主軸事業であるランドセルの需要が少子化により減少する中、新事業として農業参入を決意しました。農業を選んだのは「お子様とそのご家族を笑顔に」という理念を、命の源である食でも実現するためです。品目や栽培技術、経営については専門企業の指導を仰ぎました。農地賃借や施設整備については、市や農業委員会など行政に相談し、環境制御型ICTハウスを建設してトマト栽培を開始しました。新事業は社内に刺激をもたらし、従業員の士気向上にもつながったと実感しています。現在、県の支援を利用した事業拡大を検討中で、ランドセル工房に来られたお客様も楽しめる観光イチゴ農園の運営を目指します。


(株)鞄工房山本 代表取締役会長
山本 一彦さん

サポセン スタッフより

県と各種機関が連携してサポート
農地情報、貸借手続は我々にお任せ

私たちは、奈良の農地の効率的利用を図る公的機関です。農地を地権者から借り受け、耕作者に貸す事業を無料で行う農地中間管理機構であり、「貸したい人」と「借りたい人」をマッチングしています。今回の取り組みでは、企業のスムーズな農業参入を目的に、県による企業の農業参入意向調査、土地改良区による農地調査、そして私たちサポセンが蓄積した農地情報を結集して一体的にサポートします。参入企業のニーズに応える農地情報を提供し、実際の貸借手続においては、公的機関である私たちが間に入ることでトラブルを防止・軽減します。


(公財)なら担い手・農地サポートセンター
事務局長 田中 利亨さん

  • 県食農部総務課
  • 電話 0742-27-7406
  • FAX 0742-26-6265

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