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ページ番号:14812
更新日:2026年2月27日
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灯芯ひき技術
とうしんひきぎじゅつ
記入年月日 2016年11月21日

灯芯保存会による灯芯ひき

材料の藺草の収穫・乾燥作業

藺草から作った長灯芯・切灯芯と藺がら
| 所在地 | 奈良県生駒郡安堵町大字東安堵1322番地 |
|---|---|
| 区分 | 民俗|無形民俗文化財 |
| 指定内容 |
町指定無形民俗文化財 |
※各歴史文化資源へのご訪問の際は公開日・公開時間・料金等を別途ご確認ください。
歴史文化資源の概要
灯芯は灯明や和蝋燭といった灯火具の燃え芯に用いられてきました。「灯芯ひき」は、この灯芯の原料となる藺草(いぐさ)から、その表皮を取り除いて芯(髄・灯芯)を取り出す作業をいいます。安堵町では江戸時代中期から昭和40年頃まで、多くの世帯が農作業の合い間に灯芯をひく仕事に携わってきました。昭和40年代以降になると、藺草の栽培は途絶えましたが、灯芯ひきは女性の手によって継承されていました。現在では、灯芯の保存・普及を目的として発足した「灯芯保存会」によって、藺草の栽培と灯芯ひきの技術が継承されています。
地域にとって大切な歴史文化資源である、その理由
灯芯の生産が盛んになった背景には、町域が大和川・富雄川・岡崎川の3つの河川に囲まれており、湿田(泥田)が多く、稲の裏作に適した藺草の栽培がおこなわれたことにあります。藺草は当町を含めた大和川流域を中心に一大産地となり、当地域の特産物となりました。文政元年(1818年)から天保7年(1836年)にかけての灯芯ひきによる現銀収入とその内訳を示した経営記録が残されており、年により差はあるものの現銀収入の10~20%前後を占めていたことが判明しています。
需要の減少に伴い昭和40年以降、藺草が生産されなくなりましたが、取引を続ける仲買が茨城県から藺草を取り寄せ、町内の女性によって灯芯ひき技術が途絶えることなく守り伝えられてきました。
安堵町を中心に盛んにおこなわれていた灯芯ひきは、担い手の高齢化によって技の継承者が減少し、この技術も途絶える懸念がありましたが、平成8年に「灯芯保存会」が発足し、藺草の栽培と灯芯ひきの技術が保存されるようになりました。現在、約40名の会員が現在も技術の継承に携わっています。灯芯保存会によってひかれた灯芯は、社寺仏閣に奉納され、東大寺二月堂修二会(お水取り)等の伝統行事において用いられています。
このほか、灯芯は茶事の灯明、墨の原料である油煙墨を採取するために用いられています。また、全国の和ろうそく作りで用いられる灯芯のほとんどが、安堵町に所在する仲買から仕入れられたものです。安堵町は、日本の灯りを支えている町なのです。
当資源と関連する文献史料
胡内佐右衛門家「歳々万勘定帳」(東安堵:胡内郁治家所蔵文書)など
当資源と関連する伝承
かつては「灯芯ひきの歌」を唄いながら作業をしたと伝わっています。
| 問い合わせ先 |
灯芯保存会(安堵町歴史民俗資料館) |
|---|---|
| 電話番号 |
0743-57-5090 |
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