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更新日:2026年2月27日

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特集1

県民だより奈良

2025年11月号

特集ロゴ

日本のはじまりを今に伝える平城京跡のこれから

奈良時代、平城京では日本古来の文化に世界の文化を取り入れ、新たな文化や技術が生み出されました。そのひとつが食文化です。
県では、平城京が日本の食文化のルーツであることを踏まえ、平城宮跡歴史公園(県営公園区域)を県内外、世界へのつながりを演出する“食のハブ拠点”として整備。平城京の現代版ともいえる空間づくりを目指します。
今回は観光戦略本部平城宮跡周辺エリア部会の結果を基に、令和7年10月1日に改定した「平城宮跡歴史公園 県営公園区域 基本計画」の内容など、これからの平城宮跡について紹介します。

平城京は、美食のまち・食文化の発信拠点

世界が認める日本食のルーツは平城京にあり

奈良時代、平城京には日本各地から特産品が納められ、遣唐使や渡来人によって外国の食や技術が持ち込まれました。当時の人々はそれらの食材をよりおいしく、そして長く楽しむために加工技術を考案。味噌や醤(ひしお)などの発酵食品を生み出したのです。やがてそれが全国に広がり、日本の食文化として確立。お茶やまんじゅうも奈良発祥です。

名産物

奈良時代の木簡には 食に関する情報がいっぱい

日本各地の食材を扱う市が立ち、今でいう居酒屋のような飲食店も軒を連ねる一大美食都市だった平城京。それを証明するのが、木簡などの出土品です。かつて平城京があったエリアからは、どこからどのような食材が持ち込まれたかを記した荷札木簡や、お酒や“くき”と呼ばれる現在の浜納豆に似た調味料のレシピを記した木簡など、食に関する多くの木簡が出土しています。


税を都に運ぶ人々
出典:「奈良文化財研究所創立50周年記念飛鳥・藤原京展 
ー古代律令国家の創造ー」

木簡1

日本分布図
出典:奈良文化財研究所

インタビュー

木簡などの出土文字史料から平城京の研究に励む、埋蔵文化財センター長の馬場さんにお話を伺いました。

馬場 基さん
独立行政法人国立文化財機構
奈良文化財研究所埋蔵文化財センター長
馬場 基さん

平城京に納められたのは全国各地の“とっておき”

平城京に運び込まれた品々は、各地の「いちばん大事なもの」。「大事なもの」は、その土地や海の力がつまった特別なものとして、神様や天皇にささげるのにふさわしいと考えられていました。令和6年に聖武天皇の大嘗祭に関する木簡が出土し、イカや干しアワビ、梨、栗などが記されていることが分かりました。

木簡2

平城京に納められたのは全国各地の“とっておき”
令和6年に平城京跡で発掘された
「大嘗祭」にまつわる木簡
出典:奈良文化財研究所

グルメな貴族たちのお気に入りは、“初物”と“生もの”

鹿やイノシシなどの肉、「蘇」と言われる古代のチーズ、夏は甘酒や氷、と貴族の食生活は実に豊かです。奈良の野菜、柿やイチゴ、ジュンサイなども好んで食べており、「初物」が好きというミーハーな一面もありました。「生もの」にも目がなく、大阪湾や伊勢・志摩から生魚を運び込ませ、干し魚は生に近い食感になるよう戻し方を工夫していたようです。

グルメな貴族たちのお気に入りは、“初物”と“生もの”

平城京をふたたび“食の発信拠点”にするために

平城京の人々は、さまざまな食べ方や加工に挑戦し、食を現在にもつながるひとつの文化へと醸成してきました。ぜひ「食のハブ拠点」となる平城宮跡で、過去の「挑戦」に思いをはせ、今の「挑戦」に舌鼓を打ち、未来への「挑戦」を盛り上げましょう。

平城宮跡歴史公園のポテンシャル

日本食を楽しむことが旅の目的に

「日本人の伝統的な食文化」「伝統的酒造り」がユネスコ無形文化遺産に登録されたのを機に、国内外で日本食に対する関心が高まっています。また旅の目的もショッピングなどの「モノ消費」から、日本の文化や伝統、食事などの体験を楽しむ「コト消費」に移行しており、日本の歴史遺産、そして日本の食文化のルーツである平城宮跡歴史公園への期待は膨らんでいます。

国内外で高まる日本食への関心

日本各地の食材を扱う市が立ち、今でいう居酒屋のような飲食店も軒を連ねる一大美食都市だった平城京。それを証明するのが、木簡などの出土品です。かつて平城京があったエリアからは、どこからどのような食材が持ち込まれたかを記した荷札木簡や、お酒や“くき”と呼ばれる現在の浜納豆に似た調味料のレシピを記した木簡など、食に関する多くの木簡が出土しています。

寿司屋 日本食

好きな外国料理の1位は「日本料理」

世界分布図

平城宮跡歴史公園の強み

奈良県の観光客はコロナ禍前の令和元年で年間4,502万人。奈良公園には約1,300万人が訪れています。一方、平城宮跡歴史公園には奈良公園の1/10の約130万人しか訪れていないことが課題です。奈良市内の主要観光地である奈良公園周辺と西ノ京周辺からのアクセスの良さという強みを活かし、今後の集客増加が見込まれます。

平城宮跡歴史公園周辺図
国営平城宮跡歴史公園周辺図より作成

観光客イメージ

インバウンド

インバウンドも奈良公園周辺に集中しており、奈良公園周辺の2%程度しか訪れていません。平城宮跡歴史公園は、欧米豪諸国と東アジアの観光客に人気があり、なかでも6月〜12月は、当時、平城京と盛んに交流していた東アジアの観光客が増加傾向にあります。

令和5年度西の京・平城宮跡エリア(インバウンド)

日本人観光客

日本人観光客も奈良公園周辺に集中しており、奈良公園周辺の50%程度しか訪れていません。歴史ロマンにどっぷり浸れる平城宮跡歴史公園は高齢の方に人気が高く、また各年齢層とも男性の観光客が大半を占めています。女性や若い世代に向けた魅力創出が来訪者増加の鍵になると考えられます。

令和5年度平城宮跡エリア(日本人観光客)

平城宮跡歴史公園のこれから

平城宮跡歴史公園(県営公園区域)基本計画を改定

平城宮跡歴史公園では、平成20年、長期的な整備・管理を進めていく上で踏まえるべき基本的な内容を定めた「基本計画」を策定。“奈良時代を今に感じる”空間の創出を基本理念に公園整備を進めてきました。
令和2年に「大宮通りより南側の区域」を追加したことを踏まえ、本県が中心とした地元が整備する区域(県営公園区域)の基本計画を定めました。
さらに、令和6年度の観光戦略本部平城宮跡周辺エリア部会の結果を踏まえ、県営公園区域の基本計画の改定案について、令和7年7月から1か月間パブリックコメントを実施し、県民の皆さんからご意見をお聞きしたうえで、10月1日に基本計画を改定しました。
基本計画では、大宮通りより南側の区域を、「平城京を体感できるにぎわいづくり」のエリアとして整備することとしています。

大宮通りより南側の区域

利用整備エリア区分図

県民の皆さんからお寄せいただいたご意見

奈良時代の精神を受け継ぎ、「日本の食」と「チャレンジ・クリエイティブな活動」をキーワードに空間づくりを進めます。

平城宮跡歴史公園(県営公園区域)では、奈良観光の玄関口としての拠点性と利便性を活かし、平城京に対する知識と理解を深められるよう、“日本の食のはじまりは奈良”をコンセプトとした食のハブ拠点を整備します。
朱雀大路をはじめとした遺構や平城京の広がりを体感しながら、奈良ならではの食を体感できるレストランやカフェを誘致。当時の平城京では、様々な人が集まり活躍していた史実を踏まえ、新しいアートや価値を生み出そうとする人がチャレンジできる場にもしていきます。

食のハブ拠点の創出 「日本の食」と「チャレンジ・クリエイティブな活動」

さらなるにぎわいや魅力向上に向けて取り組みます

令和13年度の全面供用に向けて、今年度は、観光戦略本部平城宮跡周辺エリア部会に設けたワーキンググループにて議論を深め、令和8年度に民間事業者を公募する予定です。

令和7年度 観光戦略本部平城宮跡周辺エリア部会

令和8年度 民間事業者の公募

令和13年度下期 全面供用

平城宮跡歴史公園(県営公園区域)について詳しくはこちら
平城宮跡歴史公園(県営公園区域)

  • 県公園企画課
  • 電話 0742-27-8945
  • FAX 0742-27-7488

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