更新日:2025年12月22日
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曽山瑛里子さんは、ここ数年、SNSを中心に注目を集めている木工作家です。服飾の専門学校を卒業後、アパレル販売員として勤務していたとき、趣味で木工を始めるようになったそうです。「今まで何をするにも三日坊主だったのですが、木工にはとことんハマってしまいました」と曽山さん。独学で木工を学び、やがて椅子や棚などといった大きな作品まで手がけるようになっていったそうです。作品が大きく複雑になるにつれ、手持ちの工具もどんどん増えていったのだとか。そして製作した作品をブログやSNSで紹介したところ、次第に注文が入るようになり、本格的に木工作家としての活動をスタートさせました。
今回、「奈良の木のこと」では、普段、ブラックチェリーやウォールナットなど硬い木材を使うことが多いという曽山さんに、奈良の木を代表する吉野桧を使ったインテリア雑貨の製作をお願いしました。いったいどのような作品が出来上がったのでしょうか?製作過程のフォトレポートを、吉野桧を使うのは今回が初めてだという曽山さんへのインタビューとともにお届けします。
1.吉野桧の板材を電動糸鋸で大まかな形に切り出す。


2.スピンドルサンダーで側面を滑らかに削る。

3.彫刻刀や小刀で彫る。

4.紙やすりで表面全体を滑らかにする。紙やすりは番手♯240と♯400を使用。

5.アクリル絵の具で丸い部分のみ白く塗る。

6.透明な塗料で表面を仕上げる。


7.卓上ボール盤で裏面にマグネットを埋め込むための穴をあける。


8.7であけた穴に磁力の強いマグネットを埋め込む。

9.壁に掛けるための金具を取り付けたら、「ウッドポスターハンガー」の完成です!

完成したウッドポスターハンガー
ウッドポスターハンガーは、もともと子どもが描く絵を気軽に素敵に飾りたいという思いから生まれました。今では、私の定番作品として、さまざまなサイズやデザインのものを、製作販売しています。今回、吉野桧を使った作品製作の依頼をいただいたとき、「吉野桧の色味や木目の雰囲気なら、絶対にこのデザインが合う!」とウッドポスターハンガーが思い浮かびました。少しクセのあるデザインですが、吉野桧の木目の穏やかさと主張しすぎない色味が合わさり、良い雰囲気に仕上がったと思っています。

私の作品のコンセプトは、「遊び心を暮らしの中に」です。私は家事や料理があまり得意ではないのですが、それでも普段使うカッティングボードやスプーン、壁掛けオブジェなどがおしゃれだと、日々の暮らしがより楽しくなるだろうなと思い、自分の理想のイメージを形にするようになりました。
もともと古いものが好きだということもあるのですが、木でできたものは長く育てるように使えることに大きな魅力を感じています。経年変化を楽しめるのはとても素敵なこと。ひとつのものを使い続ける喜びを得られるのも素晴しいですよね。手をかけながら大切に使うことで愛着を深めていっていただきたい──、そんな思いで日々作品を製作しています。
古道具やアンティークが好きで、よく蚤の市やインテリアショップに足を運びます。そんな時、インスピレーションを受けることが多いのですが、そこで見た作品をそのまま模倣はしません。例えば、素敵な額縁を見つけたとしたら、「こんな感じでカッティングボードを作ったらどうだろう?」といった具合に、頭をぐ~るぐるとフル回転させてイメージを膨らませています。
最初は取り扱いが簡単で、飾るだけで気分が上がるもの、目にするとほっこりするものなど、お部屋のアクセントになるものから取り入れると良いと思います。また、古家具など、味のあるものを取り入れるのもおすすめです。木工雑貨や木製家具といっても、テイストによってさまざまで、いろいろなアイテムがあります。自分好みのものを少しずつ集めたり、時には大胆に取り入れたりと、人によって取り入れ方は変わってくると思いますが、とにかく楽しむことが一番です。ちなみに私は、もともとアンティーク好きということもあり、大きなテーブルに小さな傷があってもあまり気にしません(笑)。性格にもよるかもしれません。
正直なところ、大きな目標や展望はありません。私の生活の中にはものづくりが当たり前に存在しています。これはひとえに、私が作るアイテムを求めてくださるお客さまがいらっしゃるから。とても幸せなことだと感じています。アイデアを形にするのが好きなので、これからもその作業を行いながら、私が作る木工を欲しいと思ってくださる方々に少しでも多くの作品をお届けできるように活動を続けていきたいです。
今回、曽山瑛里子さんには吉野桧を使って、ウッドポスターハンガーを作っていただきました。吉野桧の持つ色味や風合い、曽山さんも驚いたと話す“軽さ”を生かしたウッドポスターハンガーは、インテリアとしておしゃれなだけでなく、日々の暮らしにそっと寄り添い、心を和ませてくれます。どんなアートや写真を飾ろうかと考えを巡らせるのも、楽しいひとときとなることでしょう。あなたも育てるように使える木のアイテムを暮らしに取り入れてみませんか。

INFORMATION
曽山瑛里子さんInstagram,Youtube
Instagram
木工作家・曽山瑛里子(@erikosoyama)•Instagram写真と動画
YouTube
eriko soyama. Woodworker-YouTube
文:長谷川 あや
撮影:曽山 瑛里子
2025年3月25日(記事公開日)