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更新日:2026年4月19日

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籔内佐斗司館長の部屋

籔内佐斗司館長の部屋

 

「日本の伝統文化を知る 刀と撥鏤(ばちる)
 天平から宇宙へ-人間国宝・吉田文之の撥鏤-」展について

奈良県立美術館

館長 籔内 佐斗司

 4月18日(土)から6月14日(日)まで特別陳列「刀と撥鏤」展を開催いたします。

 かつて大和国は、備前や京都、相州、美濃などと並ぶ名刀を生み出した一大産地でした。また春日大社には、数多の甲冑とともに全国屈指の刀剣コレクションがあり、県内には、その系統を引く現代刀剣の刀匠もたくさんおられます。そして奈良県立美術館にも、名刀と高度な模造も含め、多くのコレクションを所蔵しています。今展では、それらをご紹介するとともに、奈良県文化財課・海野啓之氏による講演会「奈良県の刀剣の保存活動」のほか、担当学芸員による鑑賞の手引きとなるギャラリートークも行われます。

 また今回は、「撥鏤」制作で人間国宝に認定された吉田文之氏(1915〜2004)と彼の周辺の工芸作家の作品も合わせて展示いたします。

 象牙を使った「撥鏤」は、正倉院御物で知られますが、現代では材料の象牙の入手も困難となり、また需要が限られる貴重な工芸品となってしまいました。その制作技法は、成形した象牙を染色し、そこに刃物で「撥く」ように模様を描く中国の唐代に盛行したものです。わが国には天平時代に伝えられ、聖武天皇の御物などとして箏の装飾や琵琶の撥、儀式用物差し、髪飾りなどが作られましたが、いつしかその技法は途絶えてしまいました。しかし、漆芸家・吉田文之氏は、正倉院御物の復元・修理を通じて学び再現した撥鏤の技法を以て、復元模造や創作の作品を作り、重要無形文化財保持者(人間国宝)に選定されました。彼の努力によって、「撥鏤」は、わが国の伝統工芸技法として蘇りました。

 展示では、当館所蔵の2点のほか、式年遷宮記念神宮美術館などの所蔵品を集め、ご高覧に供します。そして当館担当学芸員による鑑賞の手引きとなる美術講座やギャラリートークを企画しています。

 みなさまのご来場を心よりお待ちしています。

内覧会の様子1

内覧会の様子2

内覧会の様子3

 

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