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ページ番号:6824

更新日:2026年2月27日

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紅縮緬地垣に柳桜若松文様繍打掛

紅縮緬地 垣に柳桜若松文様 繍 打掛(べにちりめんじ かきにやなぎさくらわかまつもんよう ぬい うちかけ)

一領 江戸時代(19世紀)
丈160.0cm 裄57.5cm

紅縮緬地垣に柳桜若松文様繍打掛

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解説

「見渡せば 柳桜をこきまぜて 都ぞ春の 錦なりける」(『古今和歌集』)と詠まれる様に、柳に桜の組み合わせは、古来日本人にもっとも親しまれてきた文様の一つである。この打掛では、柳に桜を垣の向こうに覗かせ、手前には青々と生えそろう若松を配して、春の景を表わしている。文様は紅縮緬地に総て刺繍で表わされ柔和な仕上がりである。
市井の流行に捕らわれない、古典文芸を彷彿(ほうふつ)とさせる総刺繍のきものは、江戸時代後期の公家(くげ)女性の衣料の典型である。打掛は間着(あいぎ)と呼ばれるきものの上に着るが、公家では「掻取(かいどり)」と称している。裾に厚く真綿が入るのは江戸時代後期の打掛の特徴と言えるだろう。袖の文様が途中で切れていることから、若い公家女性の振袖であったが、成人後に袖を切って振切留袖(ふりきりとめそで)に仕立て直したと考えられる。公家女性の身分ながらも長く大切に愛用していたことを、このきものは物語っている。

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