更新日:2026年8月31日
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伝統的な生活文化が今も色濃く残るならまちにある「鹿の舟」。観光案内にとどまらず、日本や奈良の生活文化に触れ、これからの生活を考えるきっかけとなるさまざまなサービスを届けています。今回は写真家・かつお(仁科勝介)さんとともに、食堂「竈-Kamado-」を中心に、日々の営みに溶け込む吉野杉・吉野桧の姿を訪ねました。


食堂「竈」
訪れた人に奈良の魅力を存分に楽しんでもらいたい。そんな思いから、鹿の舟では随所に奈良のものが取り入れられています。食堂「竈」に並ぶのは、吉野杉の椅子やテーブル、そして手になじむ吉野桧・吉野杉を使ったお箸とお盆。かまどでご飯を炊く火には、吉野桧の薪が使われています。


吉野桧の椅子とテーブル。日々の食事を通して、木の手ざわりを感じられます。

手に取るたびに、木の使い心地を感じる吉野杉のお箸。

吉野杉のお盆。

かまどでご飯を炊く様子。
座る、触れる、食べるという日々の動作を通して、奈良の木を身近に感じられること。そこから奈良のさまざまな魅力へ興味が広がること。木は、お客様との会話を生み出すきっかけにもなっているそうです。

奈良の木でできたお膳やお箸とともに味わう、竈の食事。(昼ごはん・鯵フライ定食)

鹿の舟が考える奈良の木ならではの魅力は、木目の美しさや手ざわりの良さ、そしてふわりと広がる香りにあるそうです。吉野杉や吉野桧は、生活道具の素材として、見た目の美しさだけでなく、五感で心地よさを感じられることも魅力とのことです。


なかでも吉野桧は、火付きがよく火持ちにも優れているため、竈の燃料にも向いているそうで、薪がパチパチとはぜる音や、立ちのぼる香りとともに、ご飯のおいしさだけでなく、火を囲む時間そのものも楽しんでほしいと話してくださいました。





「竈-Kamado-」から、同じ鹿の舟内にある「繭-Mayu-」「囀-Saezuri-」へ。鹿の舟を歩けば、建物や庭、そこに流れる時間がゆるやかにつながり、施設全体の世界観が立ち上がります。
「繭」は、ならまちの生活文化に触れながら、「これからの生活をつくる」をテーマに、さまざまな情報や文化、体験を発信する施設。大正初期に建てられた趣ある建物を活用し、ならまちの新たな魅力を届けています。

鹿の舟「繭」・外観



「繭」の中にある本を自由に読めるスペースも。


一方の「囀」は、奈良や季節の食材を楽しめるティールームと、奈良や全国から集めた器や布物、食品などを扱う雑貨スペースを備えた施設です。

鹿の舟「囀」・外観



奈良の木でできたジャム用スプーンなども販売。

それぞれ異なる役割を持ちながらも、ならまちの魅力や暮らしの豊かさを伝えるという想いは共通しています。施設全体を巡ることで、奈良らしい風景や生活文化に触れながら、自分たちのこれからの暮らしへ目を向ける。そんな小さなきっかけが、ここで過ごすひとときの中に散りばめられています。

椅子に座る、箸を手にする、薪の音に耳を澄ます。吉野杉・吉野桧は、何気ない時間の中で、その美しさと心地よさを感じさせてくれます。鹿の舟を訪れ、木の香りや手ざわりに触れながら、「奈良の木」がある暮らしの豊かさを体感してみてはいかがでしょうか?

INFORMATION
鹿の舟
住所
〒630-8317 奈良県奈良市井上町11
電話番号
0742-94-5520(竈)
HP
https://www.kuruminoki.co.jp/shikanofune/
取材協力:鹿の舟
撮影:かつお(仁科勝介)