トップページ > 県政情報 > ようこそ知事室へ > 知事の県政に関する所信 > 令和8年2月定例県議会提出議案説明要旨(令和8年2月24日)
印刷
ページ番号:22200
更新日:2026年3月16日
ここから本文です。
令和8年2月定例県議会提出議案説明要旨(令和8年2月24日)
県政運営の基本方針
本日、令和8年度予算案をはじめ、令和7年度補正予算案等の議案を提出して、県議会のご審議をお願いするに当たり、議員各位をはじめ、県民の皆様のご理解とご協力を賜りたく、所信を申し上げます。
私は知事就任以来、徹底した行財政改革に取り組むとともに、県政の様々な分野で新たな政策を打ち出し、県民が将来にわたりこの奈良県で幸せに暮らしていける、そんな県づくりに全力で取り組んでまいりました。
その結果、合計特殊出生率や保育士の県内就職率の上昇、新規の工場立地件数や観光入込客数及び消費額の増加など、少しずつではありますが、確かな成果が現れてきています。
新年度においても、喫緊の課題である「物価高対策」をはじめ、「教育の無償化」の更なる充実や、「大型のハードプロジェクト」の着実な推進のほか、県政各分野の課題に積極果敢に取り組んでまいります。
また、限りある予算や人員で取組を進めて行くため、新年度予算の編成過程においても、既存事業の見直し等の行財政改革に、引き続き取り組んだところです。
奈良県の発展に向けて蒔いてきた様々な種が、芽を出し始めました。大きく育ち、花を咲かせ、そして実を結ぶよう、今後も取組を一層加速化させてまいります。
このような考え方のもと、編成いたしました新年度予算案は、一般会計総額では6,219億8,700万円、前年度の当初予算に比べて10.3%の増となりました。
また、この新年度予算案と併せて、国の補正予算を積極的に活用し、令和7年度一般会計補正予算案第7号、45億円余を計上いたしました。
以下、予算案の主な内容につきまして、私が就任にあたって県民のみなさんに約束した「3つの責任」に沿って、新年度重点的に取り組む項目を簡潔にご説明申し上げます。
主要施策
1.県民や事業者の安心と暮らしへの責任
1点目は、県民や事業者の安心と暮らしへの責任です。
まずは、足元の物価高対策です。生活に身近な食料品等の高騰が続く中、消費水準の回復に向け、プレミアム商品券を発行します。また、物価上昇を上回る賃上げや生産性の向上に取り組む中小企業を支援し、好循環による県経済の活性化を図ります。
さらに、低所得のひとり親世帯に対して、生活支援のための給付金を支給し、物価高による負担を軽減いたします。
次に、県民の命と財産を守るための防災力の強化についてです。
日本一災害に強い奈良県を目指し、「奈良県地域防災計画」に基づき、自助・共助の推進や、防災活動体制の整備・充実、災害時における保健・医療・福祉に関する支援体制の強化等に取り組みます。
また、大規模災害発生時の応急対策強化を図るため、関係機関と連携した訓練を実施するなど、広域防災拠点等を活用した受援体制の検証を行うとともに、五條市の県有地における南部中核拠点の整備を推進いたします。
さらに、消防学校の移転整備については、南部中核拠点と一体的に進めるほか、消防団の充実・強化を図るなど、消防力の向上にも取り組みます。
そのほか、県下全域の土砂災害対策、河川の洪水対策など、防災・減災対策を引き続き推進いたします。
次に、高齢者にやさしい奈良県づくりについてです。高齢者がいつまでも健康で生きがいを持って地域の中で暮らし続けられるよう、介護予防の実施主体である市町村に対し、先進事例の紹介や個別支援を実施します。
また、介護需要のピークが2040年に到来することを見据え、特別養護老人ホームにおける施設の長寿命化を支援するなど、将来必要となる施設サービスを適切に確保してまいります。
さらに、介護人材の不足に対応するため、事業所が行うロボットやICT機器の導入を支援するほか、外国人材や就労意欲のある高齢者の介護分野への参入を促進します。
これらの取組を着実に進めるため、令和9年度から11年度を実施期間とする、高齢者の福祉、介護保険事業の支援及び認知症施策の推進に関する計画を一体的に策定します。
次に、地域医療提供体制の確保についてです。高齢化に伴う医療ニーズの変化や人口減少を見据え、入院医療だけでなく、外来・在宅医療、介護が密接に連携した医療提供体制の構築を目指し、新たな地域医療構想を策定します。
また、西和地域における拠点病院としての役割を担う西和医療センターの移転整備に向け、整備基本計画の策定や用地の確保などに取り組んでまいります。
なお、多額の赤字を抱える県立病院機構に対しては、発達障害児向け医療等への支援を強化するなど、早期の黒字化に向けた取組を強力にサポートいたします。
2.奈良県の子ども、若者の未来への責任
2点目は、奈良県の子ども、若者の未来への責任です。
こどもをまんなかにおき、社会全体で子育てを支援するあたたかい県民性をはぐくむことを目指し、「奈良県こどもまんなか未来戦略」に基づき、こども・子育て施策を総合的に推進いたします。
まず、保育所等の待機児童の解消に向け、不足する保育士を確保するため、新たに地域限定保育士制度を導入するとともに、引き続き、民間保育所等に勤務する保育士の給与加算に取り組む市町村を支援するなど、保育士の処遇改善に努めます。
また、子育て家庭の負担を軽減するため、ベビーシッターの利用料助成を行う市町村に対する支援において、対象年齢を3歳未満から就学前までの児童に拡充します。
さらに、女性の就労支援では、年齢や性別に関係なく、誰もが働きやすい社会づくりを推進するため、県内企業等のトップに向けたセミナーや、働きやすく、働きがいのある職場づくりを目指すワークショップを開催するなど、ジェンダーギャップの解消等に取り組みます。
私立高校授業料の実質無償化では、本県で育つ子どもたちが、経済的な事情を気にすることなく、自らが希望する進路を選択できるよう、授業料等への支援を大幅に拡充し、各家庭の負担軽減に努めてきました。新年度からは、これまでの所得制限を撤廃し、全ての世帯に対して63万円を上限に支援することで、更なる充実を図ってまいります。
また、学校給食費についても、新年度から市町村立小学校等に対して支援することにより、給食無償化を実施してまいります。
次に、子どもたちを支える学校現場の環境改善についてです。「県立高校トイレピッカピカ5カ年計画」に基づき、引き続き、県立高校におけるトイレの洋式化や乾式化を進めるとともに、熱中症対策として特別教室や体育館における空調設備の整備を進めてまいります。
3.豊かで活力ある奈良県を創る責任
3点目は、豊かで活力ある奈良県を創る責任です。
まずは、脱炭素社会の実現についてです。脱炭素社会の実現を目指し、「奈良県脱炭素戦略」に基づき、温室効果ガス排出量の削減と、森林による二酸化炭素吸収量の拡大に向けた取組を、着実に推進してまいります。
このため、100を超える団体や企業、国の関係機関、市町村等で構成する「奈良県脱炭素・水素社会推進協議会」と連携・協働し、民間の活力を積極的に活用することで、県全域における持続的な取組を展開してまいります。
また、奈良県フォレスターの配置を13市町村から15市町村に拡大することで、管理されずに放置された森林の間伐や植栽等による再整備を進めるほか、県産材の利用促進等を着実に推進してまいります。
次に、産業の振興では、本県が有する潜在力を最大限に活かし、持続的な経済成長を実現するため、企業のニーズや課題を起点に、これまでの取組をさらに深化させた「産業政策のパッケージ2026」をとりまとめました。
企業からは、依然として人材確保難や人手不足に対する切実な声を伺っており、学生と県内企業をより深く強くつなげる取組に加え、本県への移住促進施策の一層の強化、外国人材の呼び込みや定着促進、さらには従業員向けの奨学金返還支援制度を設けて人材確保に取り組む企業への支援など、時代に即した人材確保策を展開してまいります。
また、県内企業の後継者不足に対しては、事業譲渡に関するセミナーの開催や若い後継者の育成など、事業承継が円滑に行われるよう取り組んでまいります。
さらに、県内での投資を一層加速させるため、不足する産業用地の確保を進めるとともに、企業の誘致に向けた支援を行います。
このほか、SDGs企業認証制度の推進や、自動配送ロボットなど次世代技術の活用促進、産学官に加え金融機関とも連携したスタートアップの創出などに取り組みます。
大和平野中央の県有地活用については、引き続き、川西町での世界トップレベルのサッカー選手を育成するバルセロナレジデンスアカデミーの誘致や、三宅町における学生寮を中心とした交流拠点「ヤング・イノベーション・レジデンス構想」の推進、田原本町での運転免許センターの整備などに取り組みます。
また、本県における国際教育の推進や地域振興を目的に、海外で高度な教育プログラムを提供しているインターナショナルスクールの県内誘致に取り組んでまいります。
次に、観光の振興では、宿泊者数が令和六年において過去最高を記録するなど、奈良県への注目の高まりを好機と捉え、長年の課題である「安い」、「浅い」、「狭い」から脱却し、「産業としての観光」の成長を目指してまいります。
このため、「奈良県観光戦略本部」において民間の知見を参考に、観光の目的地として一層の魅力向上に向けた議論を深めるとともに、観光政策のパッケージを策定し、観光施策を総合的に推進します。
具体的には、大河ドラマ「豊臣兄弟!」の放送を契機とした、奈良県が有する歴史文化資源の魅力の発信や、世界遺産登録を目指す「飛鳥・藤原の宮都」周辺エリアへの誘客を促進し、中南和地域の活性化に取り組みます。
また、観光消費の拡大を目指し、宿泊施設の誘致促進や滞在時間の延長に向けた体験型コンテンツの充実、観光ガイドなど地域における観光人材の育成・活用に取り組みます。
さらに、奈良公園のゲートウェイである登大路地下歩道の改修や、県内観光地における観光トイレの整備など受入環境の充実に取り組むとともに、奈良公園をはじめとする観光資源の適切な保全と将来への継承に努めてまいります。
中央卸売市場の再整備では、県民の食の安全・安心を確保する「市場エリア」と、地域の賑わいを創出する「賑わいエリア」を高い親和性を持たせて整備する方針のもと、老朽化が著しい現施設の建て替えなど、先行して「市場エリア」の整備を進めてまいります。
また、人口減少に伴い、国内における農産物の需要の縮小が見込まれる中、持続可能な農業振興を促進し、農業者の所得向上を実現するため、県産農産物の生産量の維持・拡大を図るとともに、海外販路の開拓など、農産物の輸出拡大に向けた取組を進めてまいります。
次に、文化の振興では、令和9年度中のリニューアルオープンに向け、文化会館の整備を着実に進めるとともに、整備後の運営には、民間事業者の柔軟な発想と経営力を活用するため、県有施設として初めてとなるコンセッション方式を導入し、質の高いサービスを持続的に提供してまいります。
令和8年度の「飛鳥・藤原の宮都」の世界遺産登録に向けては、認知度の更なる向上に取り組むとともに、来訪者の期待に応えることができるよう、受入環境の充実や説明力の強化など、「飛鳥・藤原の宮都」の魅力向上に取り組んでまいります。
次に、令和13年に本県で開催する「国民スポーツ大会及び全国パラスポーツ大会」の準備についてです。
スポーツは、子どもの人間形成に大きな影響を与えるとともに、健康長寿社会の実現や地域の活性化等に寄与するなど、多様な価値を有しています。こうした認識の下、大会後も多くの県民のスポーツ振興拠点となるアリーナの新設や県立橿原公苑各施設の整備を推進するとともに、アスリートや指導者の更なる育成に取り組みます。また、市町村スポーツ施設の整備・改修が計画的かつ円滑に進むよう、引き続き支援してまいります。
南部・東部地域の振興にも更に取り組みます。県と市町村が地域課題の解決に向けて連携・協働し、地域資源の活用による交流の拡大や、経済の好循環による持続可能な地域づくりを進めてまいります。
具体的には、南部・東部地域の市町村における職員人材の確保を支援するとともに、豊かな自然環境を活かしたアウトドア・スポーツツーリズムの推進など、この地域ならではの魅力を発信し、誘客を促進します。
また、移住・定住を促進するため、奥大和移住定住交流センター「engawa」を拠点に、昨年4月に東京・大阪に開設した相談窓口と連携し、移住相談や情報発信に取り組んでまいります。
4.3つの責任をしっかり果たすための施策
4点目は、3つの責任をしっかり果たすための施策です。
まずは、道路整備の加速化についてです。
道路は、県民生活や経済活動の基盤となる最も根幹的な社会資本の1つであり、その整備と維持管理は車の両輪と考えています。
このため、本県における道路整備は「奈良県道路整備基本計画」に基づいて進めており、京奈和自動車道や紀伊半島アンカールートなど骨格幹線道路の整備や、県経済の発展に寄与する道路整備を推進するとともに、地元から寄せられる小規模な改良要望にも機動的に対応してまいります。
また、利用者への快適な道路空間の提供を目指し、集中的な維持修繕を行う「ならの道リフレッシュプロジェクト」に引き続き取り組んでまいります。
次に、リニア中央新幹線「奈良市附近駅」の早期確定等についてです。これまで空港や新幹線駅がなく、いわゆる「国土軸」から離れていた本県にとって、リニア中央新幹線は、県の新たな発展の基軸になるものです。
すでに東海旅客鉄道株式会社では、名古屋・大阪間について、駅位置及びルートを確定するための地質調査を開始し、環境影響評価に着手しています。
県としても、「奈良市附近駅」の位置及びルートが1日も早く確定し、その整備効果が広く県内全域に波及していくよう、東海旅客鉄道株式会社のほか、三重県、大阪府及び国と設置した「リニア中央新幹線三重・奈良・大阪建設促進連携会議」等を通じて、沿線県として着工に向けた準備に取り組んでまいります。
また、まちづくりの推進では、「中南和地域の新たな拠点形成」を目指し、医大附属病院周辺地区において、新駅の整備に向けた設計を進めるとともに、新設するアリーナ等を含めたまちづくりについては、民間活力を導入する際に必要となるPFI法に基づく手続きを進めてまいります。
さらに、平城宮跡歴史公園においては、更なる賑わいを創出するため、日本の食文化のルーツである奈良に着目した「食のハブ拠点」の創出に向け、民間事業者の募集を開始し、令和13年度の開業を目指して取り組んでまいります。
このほか、引き続き、県庁の働き方・職場環境の改革を進めるとともに、受験者にとって間口の広い職員採用試験や、戦略的なリクルート活動などにより、県庁を支える人材の確保に努めてまいります。
新年度予算案等における主な取組の概要は以上ですが、予算案提出と併せて、予算外議案として43の議案を提出しました。これらは主として、ただ今ご説明申し上げました予算案に関連して、当面必要とする条例の制定及び改正案等であり、個々の説明は省略させていただきます。
また、予算案の詳細につきましては、関係部局からの説明と予算概要など別途関係資料によりご承知いただきたいと存じます。
本日、提出いたしました各議案につきまして、議員各位のご賢察とご理解を賜り、よろしくご審議のうえ、ご議決いただきますよう、心からお願い申し上げます。