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ページ番号:8784

更新日:2026年2月27日

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駅前商店街空き店舗活用事業 これまでの取り組み事例

はじめに

商店街は、地域の買い物の場としての役割など重要な機能を有しています。しかし、近年、店主の高齢化、後継者の不在、空き店舗の増加、集客力低下など様々な課題が見られます。

この事業では、このような課題解決のために、空き店舗を活用した継続可能な事業プランを公募し、選ばれた事業プランは県と委託契約を結び、実際に実施していただきます。

民間事業者の持つアイデアやノウハウを活用し、空き店舗を活用した商店街活性化につながる実証実験の取組をモデルプランとすることで、そのプロセスを広く他の商店街に波及させることを目指します。

本事業での取り組み事例を広く普及するため、本事業を活用して行った取組事例の概要を公開いたします。

課題を抱える商店街の皆様、地域の皆様の参考になりましたら幸いです。

令和元年度実施事業

事業実施事業者:特定非営利活動法人(NPO KYOBATE)

事業実施地域:京終地区

事業期間:令和元年9月24日~令和3年3月19日

令和元年度事業概要

PDFデータはこちら(実施報告書)(PDF:115KB)

地域の現状

JR京終駅周辺エリアは、かつては商店が立ち並び、奈良市の物流の拠点ともいえる地域であったが、現在はいくつかの商店が散見される状態になっている。

地域が抱える課題

市場や運輸局の移転に伴い地域の経済力が落ちており、京終地区のブランド力が低下している。

地域の中心経済の喪失→空き屋・空き店舗の増加→地域のブランドの低下と負のスパイラルになっている。

地域が前向きに「考える」機会が失われおり、活気が無くなっている。

実施事業内容

JR京終駅周辺エリアにて、新しく店舗を開店しやすい環境を整えることで、人々が集まり、まちに賑わいを創出するきっかけを作ることを目的とし、下記の3つを実施した。

1.地域調査の実施

定量分析・定性分析から京終地区の状況・魅力を確認し、これから店舗をつくる際にどのようなことを考えていけばよいかを検討する材料とした。

統計資料や地図等を参照し、人口、店舗数の変動、地域の歴史等の調査を行った。

また、フィールドワークを実施し、まちのイメージ・雰囲気を確認しながら、居住者・店舗を営む人の声のヒアリングを行った。

調査結果は、勉強会で発表し、共有を行った。

2.勉強会の開催

出店希望者に対し「お店づくり、まちづくり、ブランドづくり」を学べる場を提供することを目的として勉強会を2回実施した。

参加者の誰もが「お店をやってみたい」と思えるように、参加者の店舗運営に対するハードルを下げることを目指した。

勉強会後に懇親会を設けることで、講師に質問しながら話をじっくり聞いたり、他の参加者等と交流を行い自分の想いを表に出す機会が作られ、京終地区でお店を持つことへの気持ちを深めることを狙いとした。

3.実験店舗の整備

誰もが実験的に店舗を持てる機会を創出することで、開業へのハードルを下げることを狙いとして、駅の近くにある空き店舗を借りて、出店希望者が1日から店舗を開けることができる「実験店舗」を整備した。

店舗の中を整える作業は全て自分たちの手で行い、空き店舗の所有者にも整備の様子を見ていただいた。

空き店舗のかつての店舗名を継承することで、地域とのつながりを感じられる店舗にした。

整備した空き店舗を使い、まずは自分たちで実験的にお店を開き、まちに新しいお店が開いている状態をまちの人に見てもらうことで、新しいお店がまちに出来ることに対して前向きなイメージを持ってもらうことを目指した。

成果

地域調査を行うことで、まちのことを知ると同時に、まちの人に自分たちの活動を知ってもらう機会となり、地域との関係を築くことに繋がった。

勉強会の実施、実験店舗の整備を行うことで、まちに新しい店舗を出店する準備が整った。

出店したいと思っていていても、初期投資が負担になるなど実現まで様々なハードルがある状況を、「1日から実験できる場所」を提供することで、出店希望者の練習の場を作れた。

地域調査や空き店舗の整備などを自分たちの手で行うことで、地域住民や空き店舗の所有者との繋がりを築き、信頼関係の構築に繋がった。

今後の課題・取組

勉強会を継続していくにあたり、資金の捻出方法を検討する必要がある。

今回の事業内での整備では実験店舗における飲食店の開業には対応ができなかった。

飲食店のニーズは高く、より幅広い業種に対応するために引き続き整備する必要がある。

今後も実験店舗を長く続けていくことが大切であるため、地域との関わりをより深め、地域と出店希望者のつなぎ役として支援を行っていく。

事業の特徴

空き店舗の所有者とのコミュニケーションをとり、店や地域についての勉強会の開催、空き店舗の整備、実験店舗の実践等において、NPO KYOBATEのメンバーが労を厭わず、丁寧に事業を進めたことで、空き店舗の所有者や地域との関係性を築くことに繋がっていた。

本事業実施以前より、地域でイベントを開催し地域の信頼を積み重ねていたことが事業の成果に繋がっていた。

空き店舗を整備した実験店舗をすぐに貸し出し運用するのでなく、出店希望者に対し勉強会を開催し、出店希望者に出店への心構えや事業を行うことに対する前向きな発想を醸成するサポートを行うことで、出店希望者の出店へのハードルを下げることと、より魅力的な店舗の創出に繋げる仕組みとなっていた。

地域調査の様子

勉強会の様子

実験店舗実施の様子

令和2年度実施事業

事業実施事業者:特定非営利活動法人(NPO KYOBATE)

事業実施地域:京終地区

事業期間:令和2年9月1日~令和3年3月19日

令和2年度実施事業

PDFデータはこちら(実施報告書)(PDF:125KB)

地域の現状

JR京終駅周辺エリアは、かつては青果市場や商店が立ち並び、奈良市の物流の拠点ともいえる土地であったが、現在はいくつかの商店が散見される状態になっている。

地域が抱える課題

青果市場や運輸局が移転し、京終のまちの経済力が落ちるのに合わせて、まちの外部から見る京終印象値・ブランド力が低下してきている。

まちに携わるひとの活気・活力も上がる機会が少なく、地域の中心経済の喪失→空き屋・空き店舗の増加→地域のブランドの低下と負のスパイラルとなっている。

ならまち旧市街地の中で京終エリアのみがならまちの活性化から取り残されており、歴史はあるものの注目されない状態が続いている。

線路の南側は再開発により若年層の移住もみられるが、駅周辺は高齢化が進んでいる。

実施事業内容

JR京終駅周辺エリアにて、新しい店舗を出店しやすい環境を整えることで
まちに賑わいを創出するきっかけを作るという目的のもと取組を始めており、取組の進化を目指し、以下の事業を実施した。

「お店づくりスクール」の実施を柱とし、地域調査、空き店舗整備の更なる改良・展開の実施、お店づくりスクール参加者による実験店舗運営を実施した。

1.地域調査

出店希望者に向けての情報として「地域にどのようなお店が必要とされているか」を調査し、昨年度調査した内容と合わせ、資料としてまとめた。

まとめた資料をもとにお店づくりスクール当日に調査結果の発表を行った。

自治会長や観光案内所へのインタビュー、事業実施空き店舗前の通行量調査、地域住民へのアンケート調査(聞き取り調査、ポスティング)を実施した。

2.実験店舗の整備

ニーズがある飲食店営業に対応できるよう整備を行った。

自分たちの手で空き店舗を整備したことで愛着のあるスペースとなり、今後、自信を持って貸せる店舗となった。

3.お店づくりスクールの開催

「何をするのか、ではなく、なぜするのか」という考えを大切に、実際に店舗の運営や事業を行っている方をアドバイザーとして迎え、出店希望者に対し、スクールを実施した。

応募時の志望動機などから選考を行い、スクール参加者(約10名)を決定。

参加者を2つに分け、アドバイザーとサポートメンバーを1名ずつ割り振り、Aチーム/Bチーム構成にして実施した。

最終的に実際にチームで運営するお店の事業計画書作成までを行った。

チームごとに作成した事業計画を発表し、アドバイザーからの講評を受けた。

出店してみたいという気持ちを持ちながらも自ら一歩を踏み出しづらい人に向けて、その思いの実現を応援できるような場所の創出を目指した。

4.実験店舗の運営

お店づくりスクールにて各チーム作成した事業計画をもとに、スクールから約2ヶ月後に空き店舗で2つの実験店舗をオープンした。

準備から広報、当日の運営までをスクール参加者が行い、店舗運営について実践的に学んでもらった。

準備の様子も含めてSNS等で積極的に配信し、地域の方やお店に関心を持ってくださる方により興味をもってもらえるよう工夫した。

成果

昨年度実施した空き店舗の整備・地域調査を改良し、新しい取組としての「お店づくりスクール」実施からその参加者による実験店舗オープンまでを行うことができた。

地域調査を通じ地域の方の声を聴くことができ、地域の中でのNPO KYOBATEの立ち位置を知れた。

厳しい意見もあったが、少しずつでも活動を見てもらえている実感が得られた。

実験店舗を飲食店営業にも対応できる状態まで整備することができ、出店希望者の様々なニーズに対応できる環境を整えることができた。

実験店舗のオープン時には2チームとも沢山の来店があった。地域の方も多く来店していただけた。

今後の課題・取組

継続的な実験店舗の運営を検討していく。

事業の中でNPO KYOBATEメンバー以外が実験店舗を使用する上での課題が見えたため、最適な運営方法のあり方を検討していく。

奈良県内でお店づくりやまちづくり等の活動をしている他の団体・チームと連携して、お互いのノウハウを共有し、活動の話を広げていきたいと考える。

事業の特徴

店や地域についての勉強会の開催、空き店舗の整備、実験店舗の実施、勉強会参加者へのサポートにおいて、NPO KYOBATEのメンバーが労を厭わず、丁寧に事業を進めたことで、昨年度に築いた空き店舗の所有者や地域との信頼関係をより深めることに繋がっていた。

一から事業計画を作成し、作成した事業計画をもとに実験店舗で期間限定出店をしてみることで、実際の店舗運営を具体的に体験することができ、本格的な実践的の場を創出する仕組みとなっていた。

「何をするのか、ではなく、なぜするのか」という考えを主軸にすることで、事業全体を通じ、お店に対する想いを地域や参加者、NPO KYOBATEメンバー自身にも考えてもらう機会となり、今後地域をより良くする店舗の創出に繋がっていくと期待される。

地域調査の様子

お店づくりスクールの様子

実験店舗整備の様子

実験店舗「人×人(ぴとぴと)つながるカフェ」

実験店舗「きょうばてサンドatMETRO」

令和3年度実施事業

事業実施事業者:住み直し企画室

事業実施地域:三条通ショッピングモール

事業期間:令和3年8月24日~令和4年3月18日

令和3年度実施報告書

PDFデータはこちら(実施報告書 概要版)(PDF:826KB)

地域の現状・地域が抱える課題

三条通ショッピングモールは、JR奈良駅と近鉄奈良駅を結ぶメインストリートであり、多くの人が通るものの、通り過ぎるだけの「道」になっており、人々にとっての「目的地」となっていないという問題を抱えている。また、かつては地元の人が営業する店舗が多い商店街であったが、現在は建物所有者が入居者を募集し、チェーン店が多くなっているため、没個性的な面が見受けられ、商店街の人たちの「我が町」感も減少している。さらに、東大寺や興福寺などの歴史的な観光スポットが近隣に多く、観光客へ依存した店舗が多くなっている。

実施事業内容

三条通ショッピングモールにて、人々の「目的地」となる商店街への転換、空間・時間・人などの新しい価値の提供、地域コミュニティとしての地元住民生活の質的向上を目指し、以下の事業を実施した。

1.商店街実態調査

下記の調査結果より、商店街内のポテンシャルの高い空き店舗を選定した。また、実証実験の実施内容は、商店街が望む個性に溢れ、地元住民に向けた活用方法に方針を決定した。

  • a.通行量調査データ分析
    商店街の特性把握のため、奈良商工会議所が実施した通行量調査結果から通行量特性の分析。
  • b.現地調査
    空き店舗活用プランの実施店舗の選定及び実施内容の検討のため、空き店舗数及び業種別店舗数の調査。
  • c.ヒアリング調査
    商店街が抱えている課題、新規出店・閉店店舗状況、実証実験開催後の課題・評価を把握するため、ヒアリングによる調査。

2.ワークショップ

実態調査結果を基に、2グループに分かれ、空き店舗で「何をするか?」ではなく、「なぜすべきか?」を重点に置き、空間・時間・人など、新しい価値を商店街としてどう提供するかについて、検討を行った。

3.実証実験

「人と人、まちと人を繋ぐ空間づくり」を目指し、下記2種類の空き店舗活用プランを企画・立案及び実証実験を実施した。

(1)ひと×まちテラス(令和3年12月13日 8時00分-11時30分、17時00分-21時30分)

朝夕の通行量が多い当該商店街の特徴を踏まえ、「いってらっしゃい」から「おかえりなさい」と声を掛け合える繋がりを生み出す空間づくりを目指した。

交流のための仕掛け:

  • スタッフからお客さんへの手書きメッセージカードの配布
  • 小冊子と感想を共有するための図書カードの設置
  • 商店街に関係するテーマに対して自由に描ける黒板の設置
  • 歩道空間への屋台やオープンテラスの設置

実証実験の様子1 

実証実験実施の様子

(2)CAFÉすみか(令和3年12月5日(日曜日)、19日(日曜日) 各日11時00分-17時00分)

人との交流による自分の価値の再発見を目的として、初対面の人でも自然と会話ができる空間づくりを目指した。

交流のための仕掛け:

  • 店内・屋外へのこたつの設置
  • テーマを設けたメッセージボードの設置
  • 歩道空間でお餅を焼く体験を提供
  • 歩道空間で人が集まり暖を取ることのできるガスコンロを設置

実証実験の様子2 

実証実験実施の様子

成果

空き店舗の活用だけでなく、歩道空間の一体活用によって、地元のひとが楽しむ姿をまちに開くことができ、商店街の将来の姿を提案することができたものと考える。また、本事業の店舗と歩道を一体的に活用した手法は、本事業で取り扱った飲食店だけでなく、物販店舗やサービス店舗にも流用可能と考える。

今後の課題

今回培ったプロセスや課題を本商店街理事会と共有し、各店舗にも積極的な活用を行いたい。また、周辺の商店街とも連携しノウハウを共有することが望まれる。

事業の特徴

企画立案・実施に至るプロセスの重要性を認識の上、商店街が抱える課題の抽出、目指すべき理想像の設定、そして商店街の特性を十分に把握した上で、事業を進められた。空き店舗の活用に加え、交流の場の創出やオープンテラスの設置など「人と人、まちと人を繋ぐ空間づくり」を目指した実証実験により、これまでの商店街にはない空間・時間などの新しい価値の提供を図られた。

今後、三条通ショッピングモールや他の商店街について、今回培った企画立案・実施に至るプロセスのノウハウを活かし、さらなる活性化に貢献されたい。

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