更新日:2026年2月27日
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先進的な取り組みを行うアーティストを文化村職員が選定して招へいし、リサーチ、制作、作品発表を行うとともに、創作の過程を開いていく試みです。
創作の過程には、必ずしも作品に表れないたくさんの発想のかけらや逡巡があります。一見無駄とも思える部分へ宿る豊かさに、触れるきっかけとなることを目指しています。
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Bunkamura Creation vol.7 Gaku Kurokawa “Barrel, Rock, Grungrun”
芸術家
滞在活動期間|2025年7月10日(木曜日)~9月27(土曜日)
滞在制作場所|芸術文化体験棟3階 スタジオ301・302、屋外体験ゾーン広場 ほか
vol.7の文化村クリエイションは、芸術家の黒川岳さんをお招きしました。
黒川さんは、彫刻やパフォーマンスを通して人とモノの新しい関係性を探求しています。
今までの制作について「僕がやっていることは、子どもたちがやっていることと変わらないんですよ。」と、笑顔で語ります。何かに抱きついたり、ぎゅっと握りしめたりしたときの、あの嬉しさってなんだろう?
そんな原初の感覚をまっすぐに追い続ける黒川さんは、奈良で見つけた木樽や岩に心惹かれ、それらを起点にリサーチや制作がはじまりました。
奈良を訪れるたび、私はこの土地の持つ不思議な「時間」に魅了されてきました。
今立っている所から自分の体が果てしなく遠い昔へと繋がっていくような感覚。あるいは、そんな遥か彼方の時間がふと自分の直ぐ目の前に現れるように感じることもあります。この大地や自然環境、そしてそこに生きる人々の暮らしの積み重なりが、この言語化しきれない時間感覚を生み出しているのだと思います。
奈良の地で滞在制作をする機会をいただいたからには、この土地ならではの人や歴史、自然の連環の内に少しでいいから自分も混ぜてもらえるようにと願います。きっと、制作活動はそのための自分なりの方法なのです。
はっきりとした姿形を持たず掴み難いけれど、確かにそこにある。この土地に身を置いた作業を通して、奈良ならではの「時間」と向き合っていきたいと思います。
黒川岳
黒川 岳(くろかわ がく)
1994年島根県生まれ。京都府在住。2016年東京藝術大学音楽学部音楽環境創造科卒業、2018年京都市立芸術大学大学院彫刻専攻修士課程修了。
自らの体をもって様々な物・事にきちんと触れる(触れようとする)ことの喜びや不思議さ、難しさなどと向き合いながら、その時々に扱う素材や対象と関わる方法を見出し、あるいはそれらを見出そうとするプロセス自体に着目して作品制作を行っている。
過去の主な個展に「el cielo y el desierto están haciendo empanadas」(FINCH ARTS、2023年)、「甕々の声」(アートラボあいち、2021年)、グループ展に「バグスクール:野性の都市」(BUG、2024年)、「美しいHUG!」(八戸市美術館、2023年)などがある。令和5年度京都市芸術文化特別奨励制度認定者。
7月27日(日曜日)アーティストトーク『アーティストトーク:黒川岳』(終了)
8月23日(土曜日)ワークショップ『鉄 鰹 グルングルン』(終了)
9月21日(日曜日)アーティストトーク『グルングルングルングルンの報告会』(終了)

《石を聴く》撮影:鈴木陽介

《甕々の声》撮影:三浦知也



Bunkamura Creation vol.6 Kurumi Wakaki “Restoration Everyday”
美術家・版画家
公開制作・作品展示|2024年7月20日~9月23日
制作空間と展示空間が同居する細長いスタジオで、公開制作と作品展示を並行して行いました。
2か月間毎日、文字通り朝から晩まで手を動かし、大小合わせて75点あまりの作品が制作されました。
お隣の文化財修復・展示棟の修復工房からいただいた廃材を活用したものや、滞在しているホテルをモチーフにしたものなど、全力で楽しみながら制作する若木さんの様子を反映するような作品ばかりでした。

Bunkamura Creation vol.5 Yasuko Iba “Yasuko Iba: The Way of Seeing and Painting”
画家
公開制作|2023年12月2日~2024年2月25日の土日
展覧会|2024年3月5日〜3月24日
陶器やクッションといった具体的な対象を精細な油彩画で描きながら、それらの「質感」が前景化し、鑑賞者の記憶を呼び起こすような作品を制作する伊庭さん。奈良県内でモチーフを探し、3ヶ月間の公開制作を経て、展覧会を行いました。
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Bunkamura Creation vol.4 Tadasu Yamamoto “Water in the Center of the Universe”
写真家
撮影|2023年7月~11月
展覧会|2024年1月23日~2月25日
山本さんはこれまで、様々な形態の水を捉えることで、この世界の大きな力を可視化するような写真作品を制作してきました。
展覧会では奈良で撮影した新作を2点と、50年ぶりに公開した卒業制作の映像作品を展示、そして今回制作したドキュメンタリー映像を上映しました。
山本糾 ドキュメンタリー映像(40分)

Bunkamura Creation vol.3 Akane Saijo “The Tide of Mountain”
美術家・陶芸家
リサーチ|2023年2月~4月
展覧会|2023年4月26日~5月21日
奈良の鹿をモチーフに、神の遣い・神獣としての側面や畑を荒らす害獣としての側面など、人と自然の境界を往来する存在としてリサーチを行いました。展覧会では地元の方からお借りした納屋と文化村、2ヶ所を会場に開催しました。

Bunkamura Creation vol.2 Yujiro Sagami “BLACK HOLES”
演出家
リサーチ・クリエイション|2022年10月~12月
公演|2022年12月23日~25日
「眠り」をテーマに夏から天理へ通いながらリサーチし、2ヶ月間の滞在制作を経て、ホールにて公演形式の作品を発表しました。定員は10名、観客は相模氏と館内を巡り、スタジオでは滞在制作中に考えていたことを共有し、後半はホールで円形に並んだベッドで眠る、という構成でした。

Bunkamura Creation vol.1 Daisuke Kuroda “Setting Sail from Beneath”
美術家
リサーチ|2022年3月~5月
展覧会|2023年1月17日~2月26日
文化村オープンと同時に滞在が始まり、2ヶ月間はリサーチ、翌年に展覧会を開催しました。テーマとしたのは、文化村周辺で第二次世界大戦終戦間際に急造された「大和海軍航空隊大和基地(通称:柳本飛行場)」です。一見何も残っていない田畑や山を丁寧に歩いて痕跡を探すことで、身体的に場所を理解し、当時の人々や状況についての実感を引き寄せていきました。
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