更新日:2026年8月13日
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奈良の豊かな歴史・芸術・文化を体験し、地域との交流を深めながら、新しい視点と切り口で作品制作を表現する国内在住アーティスト1名(組)を公募・選考した結果、招聘するアーティストを下記の者に決定いたしました。今後、文化村を中心とした地域(天理市・桜井市)にて、作品制作のリサーチなど行いながら新作を制作します。土地の文化や人との出会いを大切に活動します。これからの活動にご期待ください。
<略歴>
1984年⻑崎県⽣まれ
2008年 愛知県⽴芸術⼤学美術学部彫刻専攻卒業
2010年 東京藝術⼤学⼤学院美術研究科修⼠課程修了
2021年より中之条ビエンナーレテクニカルディレクター
<活動歴>
2025 中之条ビエンナーレ国際現代芸術祭/群⾺
2020‒2022 あーつ広場/アーツ前橋/群⾺
2013 あいちトリエンナーレ/愛知
2012 「APMoA Project ARCH vol.3 ROAD OF SEX Tokyo‒Aichi」/愛知県美術館/愛知
2009 ナントビエンナーレ/ナント/フランス
<アーティストステイトメント>
私は、物質の表層や環境に残る痕跡に触れ、境界と時間を再構成することをテーマに制作している。物質の傷や変形、場所に堆積した記憶、⾃然光の移ろいなど、普段は⾒過ごされ、明確な形を持たないものに関⼼を向けてきた。対象を観察し、既存の意味や関係をいったんほどき、彫刻、写真、⾔葉、⾳、映像、⾏為へと移し替える。それは不可視のものを単に可視化するのではなく、⾒慣れた現実を再構成し、その意味や価値を捉え直す試みである。私は完成した成果物だけでなく、対象を発⾒し、変換し、現実のなかに置き直すまでのプロセスを制作として捉えている。そこに⽣じるずれや偶然を受け⼊れながら、形にならない記憶や消失しゆく時間に宿る「不合理な美しさ」を掬い上げようとしている。
<審査評 西尾 美也 東京藝術大学 教授>
今年度は例年以上に実績のあるアーティストからの応募が多く、本事業が広く認知され、その意義が浸透してきたことを感じました。その分、魅力的な提案が数多く寄せられ、選考はこれまで以上に悩ましいものとなりました。その中で西岳拡貴さんは、これまで継続して取り組んできたテーマを、なら歴史芸術文化村ならではの特色と結び付けながら展開しようとする構想が明確であり、選出に至りました。あいちトリエンナーレをはじめ国内外で活動を重ねる一方、中之条ビエンナーレではテクニカルディレクターとして制作や展示を支えてきた経験は、今回の提案にもよく表れています。移動や彫刻をテーマに身体を介して環境へ働きかけてきた実践は、山の辺の道をはじめ、人の営みと土地の歴史が積み重なる奈良の環境とも響き合うでしょう。今回の提案では、保存や搬入という普段は表に現れにくい営みに着目し、それらを地域住民とともに考え実践していく点を評価しました。作品を運ぶ人が判断する人へと変化し、作家自身も制作の主体から支える立場へ移行する構成は、美術を成立させる関係や見えない労働を共有する試みでもあります。なら歴史芸術文化村だからこそ実現できるプロジェクトとして、その成果を楽しみにしています。
<審査評 風間 勇助 奈良県立大学 講師>
今年度も審査に関わらせていただくなかで、奈良という土地の歴史や記憶、環境、あるいは素材に新たな目を向ける魅力的なプランを多数受け取りました。くわえて、文化村AIRのプログラムでは、地域との交流につながるプランを重視している特色があります。限られた滞在期間において、制作や展示にむけて、地域の人たちの話を聞くといったリサーチは数多くありますが、作家が取り組もうとすることや作品にとって地域の関わりがどこまで必然性をもっているのか、「参加」のあり方がどのように考えられているのかに、今年度は目を向けました。
西岳拡貴さんのプランは、触れ⽅や⽀え⽅によって変形・破損する、移動の難しい彫刻を制作し、その保存と搬⼊を地域の方々に委ねるというものでした。「運ぶ」という、通常は保存修復や展示などの裏側で黙々と行われる行為そのものを、参加の中心的な枠組みとしているのが印象的でした。壊れやすい作品をどう支え、どう梱包し、どのように会場まで運ぶか、その一つひとつのアイデアや判断において人々の創造性が喚起され、そして運ぼうとする身体の動きがある種の緊張感を帯びたパフォーマンスとして立ち上がる可能性も妄想できました。
限られた滞在期間において、どこまで地域の方々の継続的な関わりをつくれるのかには課題もあるかもしれません。それでも、これまでにはなかったかもしれない出会いや関わりが生まれ、アーティストにとっても今後の制作や創造性を深めていく契機となることを願っています。
<審査評 山本 雅美 奈良県立美術館 学芸課長>
今年度の文化村AIRに選ばれた西岳拡貴氏のテーマは「移動」である。西岳氏は、これまでこのテーマでさまざまなプロジェクトを行ってきたが、今回の滞在では、文化村という施設の特徴である文化財保存の活動とAIRの活動を組み合わせた「移動の難しい彫刻」をめぐる、地域コミュニティとの協働を提案している。これは桜井市と天理市ともかかわりながら地域と文化村をつなぐ試みになるだろう。西岳氏のAIRがどのような成果になるか、彼の活動を期待したい。
<今後の予定>
▶オリエンテーション期間
令和8年9月1日(火)~令和8年9月5日(土)桜井市滞在
令和8年9月6日(日)~令和8年9月11日(金)天理市滞在
▶制作期間
令和8年10月6日(火)~令和8年11月27日(金)
▶成果発表展
令和8年11月28日(土)~令和8年12月13日(日)
今後の活動についてはこちらのサイトまたは、インスタグラム等ご覧ください。
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制作期間:2025年11月2日~12月5日(オリエンテーション期間2025年10月6日~10月16日)
制作期間:2024年10月1日~11月15日(オリエンテーション期間2024年10月1日~10月12日)

リサーチ期間:2023年10月1日(日曜日)~10月10日(火曜日)
制作期間:2023年11月9日(木曜日)~11月30日(木曜日)
成果発表展:2023年12月1日(金曜日)~12月10日(日曜日)(なら歴史芸術文化村)
2023年12月6日(水曜日)~12月9日(土曜日)(山の辺みずえ画廊)

●制作期間 2022年8月2日(火)~9月20日(火)
●活動内容 地域リサーチ、奈良県知事、天理市市長、桜井市市長表敬訪問 ほか
●ワークショップ・交流
2022年9月25日(日) アーティストトーク/なら歴史芸術文化村
2022年10月1日(土) 親子向けワークショップ「モフモフの図譜」/なら歴史芸術文化
●なら歴史芸術文化村滞在アーティスト誘致交流事業 成果発表展
写真(右):衣笠 名津美
後期 大西 健太郎 おおにし けんたろう(東京都)
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